それを裏付けるように、18年からスタバは「21年末までに1700店舗」という上積み目標を掲げ、コロナ第3波の渦中にある今も方針を変えていない。
7月には東京・銀座でメガネチェーン「JINS」とコラボし、ワーキングスペースを設けた店舗を開業したほか、来春には伊勢神宮の内宮前に新店舗をオープンするなど、積極的な店舗展開を進めている。スタバ自体のコロナによるダメージや今後の伸びしろは、店舗展開の加速度を見れば予想できるだろう。
では、業界2位のドトールはどうか。経営アナリストが解説する。
「緊急事態宣言の出た4月は、さすがに対前年同月比35.9%と落ち込みを見せたものの、以後は徐々に業績が戻っている」
ドトールを運営する「ドトール・日レスホールディングス」の6~8月期最終損益は13億円の赤字(前年同期は19億円の黒字)。ドトールの既存店売上高は、6~8月にかけて前年同月比3割の落ち込みが続いた。
「ドトールは繁華街やオフィス街を中心に出店する戦略を取っており、コロナ以前は健康メニューなどで顧客満足度が高まり、特に女性客の開拓に成功していた。しかし、コロナ収束が見えない中、多くの企業はリモートワークへの移行を進めている。日常が戻らないと厳しいでしょう」(同)
コメダ珈琲の『コメ牛』が大ヒット!
コロナの影響を受けながらも、踏ん張ったのが業界3位のコメダだ。緊急事態宣言の発令で4月の既存店売上高は46.9%減(前年同月比)まで落ち込んだが、その後はV字回復を果たし、8月には7.5%減まで持ち直している。
外食産業が軒並み赤字の中、コメダに対する業界関係者の評価は高い。経済記者が解説する。
「夏以降に業績が回復した背景には、密になりにくい立地があります。コメダは住宅地を中心に、地域住民をターゲットとした店舗展開をしており、これが有利に働いたようです」
コメダは出店数の約7割が、郊外型のロードサイド店舗。感染を恐れてマイカー通勤が増えたことも、大きな駐車場を持つコメダにとってはプラスだった。そして、もう一つV字回復の要因がある。
「コメダは苦しい中、『コメ牛』という牛カルビ肉がパンパンに詰まった新ハンバーガーを開発しました。独自のたれと肉2~3倍のメニューが大ヒットし、品切れが続出するほど人気を博した。これが売り上げ増につながりました」(同)
コロナ第3波は、かつてない勢いで日本列島を覆っている。カフェ業界も先行きは楽観できないが、それでも世界でワクチン投与が始まり、東京五輪も日々、近づいている。
暗いトンネルの先に光は見えるだろうか。
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