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『スタバ』『ドトール』『コメダ』コロナ禍で戦国時代に突入!~企業経済深層レポート

企業経済深層レポート (C)週刊実話Web

2020年は新型コロナウイルスの猛威に翻弄された1年だったが、カフェ業界もその影響は免れなかった。しかし、各社の明暗は微妙に分かれており、今回は「喫茶3大チェーン」の最新動向を追った。

まず、国内店舗数のトップが「スタバ」の略称でおなじみの「スターバックスコーヒー」で1601店舗(20年9月末現在)、第2位が「ドトールコーヒー」で1088店舗(20年11月末現在)、第3位が「コメダ珈琲店」で873店舗(20年8月末現在)を展開している。

3大チェーンの業績に触れる前に、コロナ禍以前のカフェ業界はどんな状況だったのか、飲食業界関係者が分析してくれた。

「日本フードサービス協会の調査によると、19年の喫茶店市場規模は1兆1780億円。この数値は10年前と比較して約17%増加している。外食産業全体の10年間の伸びは約10%なので、カフェ業界がいかに急伸したのかが分かります」

そんなカフェ業界をトップランナーとしてけん引するのが、1996年に日本上陸を果たしたスタバだ。同社は19年間で、日本全国47都道府県すべてに進出するという快挙を成し遂げた。人気の秘密はどこにあるのか。

多くの店舗が休業を余儀なくされたスタバだが…

「おしゃれなロゴ入りで洗練されたデザインのカップ、コーヒーとミルク、ホイップクリームなどを使ったフラペチーノ、斬新な抹茶ドリンクなど、これまでになかったカフェ文化を次々と提供し、多くの日本人が魅了されました」(同)

そして、スタバにはコーヒー以外にも突出した魅力がある。日本の風土や景観に即した店舗づくりだ。

「新国立競技場の設計で知られる隈研吾氏ら一流の建築家が、スタバの店舗設計に携わっています。結果、店そのものが観光スポットとなり、人気に拍車を掛けている」(同)

しかし、そのスタバも今年は予期せぬコロナ禍で、一時は多くの店舗が休業を余儀なくされ、深刻なダメージを受けた。

会社四季報によれば、19年の売上高は対前年比110%、純利益も128億円で対前年比114%と順調だったが、今年は苦戦必至だ。経営コンサルタントが明かす。

「上場廃止以降、経営内容は非公開で、20年の詳しい業績は不明です。もちろん、コロナ禍による落ち込みは当然ですが、業界トップの力でしのぎ、なんとか21年につなげるでしょう」