2020年4月11日午後10時15分ごろ、名古屋市中区栄のホストクラブの入口に、腐乱した胎児の遺体が入ったスーツケースが置かれるという事件があった。
翌日、死体遺棄容疑で逮捕されたのは、風俗嬢の女(20)だった。かつてこのホストクラブに勤める男性従業員と同居しており、妊娠が発覚。19年12月に堕胎手術をしたが、この従業員が堕胎後の死亡届に父親として署名するのを嫌がり、それに腹を立てていたという情報もある。
「あなたの子供だから、あなたのもとに届けます」
女は犯行前、こんな電話をかけていたという。そして、自宅に保管していた胎児をガーゼのような布に包み、紙袋に入れて段ボールで密封し、スーツケースに詰めて置き去りにしたらしい。
この事件で驚いたのは、風俗客のほうだ。女は「18歳、19歳、20歳専門店」という有名ヘルスで働いており、事件直前の3月期はナンバー1になるほどの人気嬢。「出勤」が公表された途端、予約がいっぱいになるほどの人気ぶりで、中には20万円以上を支払い、10時間以上の店外デートコースで遊ぶ客もいたという。
「パイパンだし、顔もかわいいが、思い起こせばオバサン体形だった。指名が多くて疲れているのか、やることは事務的で、特にオプションについてはけっこう細かい。逆に、お金を積めばいろいろヤラせてくれるのかもしれません」(指名客の1人)
少しでも仕事(裁判)を減らしたかった!?
事件ですべての化けの皮が剥がれ、店も辞めることになったこの女性。しかし、彼女は2020年5月1日付で不起訴処分になった。名古屋地検はその理由を明かしていない。
「この事件で不起訴というのは、通常あり得ません。死亡した胎児の存在をひた隠しにして、自己の支配下に置き続けた場合、その行為は『葬送義務違反』という遺棄行為が継続しているとみなされます。謝ったから済むという問題ではありません」(事件に詳しいジャーナリスト)
さらに地裁詰めの記者が驚くべき舞台裏を明かす。
「昨年4月から5月にかけて、予定されていた公判が一斉に延期となり、再開の見通しすら立たないという状態になりました。それでも事件は起き続けるわけで、新たに起訴する事案と、そうでない事案を取捨選択しないといけない事態に陥りました。あまり知られていませんが、検事は1人ずつに起訴を決定する権限を持っており、上司の許可も必要ないわけです。コロナ禍で抱える案件が増え、少しでも仕事を減らしたいという心情が働いても不思議じゃないでしょう」
もちろん、その際には検察審査会に申し立てを行い、検察官の不起訴処分の当否を審査するという制度もある。それで不起訴処分が覆ることもある。ところが、昨年4月から5月にかけて、検察官が不起訴処分にした例は、全国的にも多すぎるのだ。これは〝コロナ恩赦〟があったとみて間違いないだろう。
コロナという神風が吹いたことで、犯罪者たちは野放しになってしまったようだ。
【〝コロナ恩赦〟で野放しにされた犯罪者たち~その②に続く(#②を読む)】【画像】
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