社会

小学生女児への性的暴行まで不起訴…“コロナ恩赦”で野放しにされた犯罪者たち~その②~

(画像)Paolo Schorli / shutterstock

昨年4月から5月にかけて検察官が不起訴処分にした〝コロナ恩赦〟と思われる事例は枚挙にいとまがない。

■複数の牧場で名馬のたてがみを切った夫婦が不起訴(札幌地検 4月28日付)

埼玉県川口市の女(55)は「サラブレッドの蹄鉄が幸運を招く」というブログを書いている競馬マニア。ところが、北海道の牧場がサラブレッドとの触れ合いの機会を設け、放牧しているのを逆手にとってスキを見て鋭利な刃物でたてがみを切断。夫も犯行を手伝ったとして、北海道警に器物損壊容疑で逮捕された。ところが、札幌地検は「被害が大きくない」として、4月28日付で不起訴にした。牧場側は「ファンの風上にも置けない」と検察審査会に申し立てる考えを明らかにした。

■生後1カ月の娘に十分な食事を与えなかった母親を不起訴(札幌地検苫小牧支部 5月11日付)

4月19日、「保温が十分でない赤ちゃんを連れた女性がいる」と110番通報があった。警察官が商業施設にいた女(30)を発見。赤ちゃんは下着姿で、極端に痩せていた。女は3月に自宅で娘を出産したと話していて、十分な食事を与えていないうえ、適切な医療を受けさせることもなく低体温症や脱水症状の傷害を負わせたとして、保護責任者遺棄致傷の疑いで逮捕された。札幌地検苫小牧支部は5月11日付で女を不起訴にしたが、理由は明かしていない。

「海に沈められるよ。500万もってこい」

■小学生の女の子に性的暴行で逮捕の会社員が不起訴(東京地検 4月21日付)

SNSで知り合った小学6年生の女の子を誘い出し、性的な暴行をしたとして逮捕された会社員について、東京地検は4月21日までに不起訴にした。横浜市在住の会社員(47)は、若い頃の写真を使って女の子を待ち合わせに誘い出し、埼玉県狭山市のホテルで性的な暴行をしたとして、3月に警視庁池袋署に逮捕された。会社員は「12歳の女の子にわいせつな行為をしたことは間違いない」と容疑を認めていた。地検は処分の理由を明らかにしていない。

■独身を装った板橋区議に金銭を要求した女が不起訴(東京地検 4月21日付)

インターネットのマッチングアプリで知り合った交際相手から、金銭を脅し取ろうとしたとして、NHK関連会社の契約社員の女(32)が恐喝未遂容疑で逮捕された。その交際相手とは、現職の板橋区議(37)。独身と偽っていたことに腹を立て、「既婚か未婚か証明してください。なめてると海に沈められるよ。500万もってこい」というメールを執拗に送り続けた。たまりかねた区議が警察に相談。地検は在宅で捜査していたが、4月21日までに不起訴処分になった。

【〝コロナ恩赦〟で野放しにされた犯罪者たち~その③に続く(#③を読む)】

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