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警戒!横浜大地震 スガ首相“地盤”ガス臭騒ぎで警戒高まる

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「東京湾周辺では直下型地震がよく発生する。1855年に起きた安政江戸地震(マグニチュード=M7.4)より小ぶりですが、震度6から7近くまで達した文化神奈川地震もその1つです。横浜のド真ん中で大地震が発生したのは約200年前の1812年。今、同規模の地震が横浜で発生したら、比べものにならないくらい甚大な被害をもたらすはずです」

こう指摘するのは、武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏である。

当時の宿場町・戸塚の旅籠は次々と倒壊、死者も多数に上ったと記録にある。震源は現在の西区辺りだったらしく、横浜一円は激しく揺れたとされる。こうしたデータから、東京でも震度5はあったと推察される。

10月12日の午後4時半ごろ、JR横浜駅構内や駅の周辺で「ガスのような臭いがする」といった通報が相次いで寄せられた。採取された空気を横浜市が分析した結果、ガソリンなどに含まれる化学物質が通常の大気中よりも高い濃度で検出されたことが分かったが、原因については不明だという。神奈川県内では、今年の6月に横須賀市や三浦市の住民から異臭を訴える通報が寄せられて以降、月に一度ほどのペースで同じような通報が県内の広い範囲で続いていた。

いつ起きても不思議ではない直下型地震

「異臭騒ぎは大正関東地震の前にも三浦半島で起きたと指摘する専門家がいましたが、正しくは地震の後です。そのため今回は、地中深くに溜まっているガス田のガスなのか、そうでないのかはっきりしない。横浜で起きた異臭騒ぎも、その正体をつきとめるまでは何とも言えません。プレートのこすれ合う臭いといえばその通りですが、仮定の話だけで推論を進めるのは好ましくない」(島村氏)

小泉進次郎環境相は選挙区の横須賀で5回目の異臭騒ぎが発生した際、「私も関心を持っている。県や消防が調査に乗り出すなら、環境省として協力できることはやる」と語った。

防災ジャーナリストの渡辺実氏が言う。

「地震が起きる前に発生する宏観異常現象の類も、これまでいろいろ報道されてきた。巨大地震近しと騒がれる昨今、防災の観点から言うと、さまざまな角度から検証するのは必要なことだと思います」

島村氏は差し迫った状況に警鐘を鳴らす。

「フィリピン海プレートは活性化しているので、直下型地震はいつ起きても不思議ではありません」

東京だけでなく菅首相のお膝元・横浜も要注意だ。

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