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東京五輪「中止」秒読み…2月7日にコロナ終息せずで“菅おろし”本格化

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国会議事堂(C)週刊実話Web

東京オリンピック・パラリンピックは7月23日から開催予定だ。ところが、新型コロナ第3波に歯止めが掛からないことから、「国際オリンピック委員会(IOC)は2月中にも再び東京五輪中止の決断をするのは確実」という情報が永田町界隈で飛び交い始めた。

感染拡大の歯止めに、何ら有効な手を打てない菅首相に対しては、自民党内からも「五輪中止後、菅政権で解散総選挙をやれば、政権を失いかねない」という声がまん延。水面下では一気に〝菅おろし〟が本格化する様相を呈している。

五輪開催がほぼ絶望的な流れを全国紙社会部記者が解説する。

「大会組織委員会の武藤敏郎事務総長が1月12日の記者会見で、『2月に東京五輪大会中止の可能性が話し合われる』という一部の報道に不快感を示し、『それらのニュースはフェイクだ』と異例の猛批判を展開したのです。しかし、この批判が『冷静な武藤氏らしくない。逆に真相に近い核心の話だからムキになって否定したのでは』と、もっぱらです」

IOC最古参委員の発言が“中止”の流れを作る!?

IOC五輪再中止決断報道の根拠については、

「1つは、2月に大会組織委員会とIOCが五輪の準備状況を確認するプロジェクトレビュー(事務折衝)を実施する。3月25日に聖火リレーが始まるため、今度のプロジェクトレビューで中止か、実施か、ギリギリの判断が迫られる。現状、米国で1日約20万人、英国同約6万人、開催国日本も同7000人前後と、世界で感染拡大に歯止めが掛からないため、中止の流れが加速している。2つ目はIOC最古参委員カナダの元競泳選手、ディック・パウンド氏が今年に入り『私は(開催は)確信が持てない』と発言したことです」(同)

東京都の五輪担当職員の1人が続ける。

「パウンド氏は昨年3月末の延期決定の約1カ月前にも、開催に懐疑的なコメントを出している。結果、延期となった。今回も2月のプロジェクトレビューの1カ月前。IOCが肚を決めたから、パウンド氏に事前に中止をニオわせる発言をさせ、世論の動向を探らせたのでは。慌てて情報収集にあたった東京都や組織委員会でも悲観的な情報が集まり、流れは『中止』が有力になりつつある」

しかし、事は単に「中止」では済まない。損失は計り知れないのだ。

菅政権を猛批判する自民党細田派

「東京五輪には新国立競技場建設費用として約1569億円など総額で1兆6440億円前後が投じられた。都試算によると、無事に五輪が開催されれば経済波及効果は全国で32兆円。大投資も、ゆくゆくはプラスとなる算盤でした。これが中止となれば投資がすべてパー。それどころかコロナ対策費で国債を含め、国は約73兆円もの資金を投入し、日本の経済はアップアップです。五輪中止なら日本は不景気の坂を一気に転げ落ち、大貧民国に陥る。その責任を菅内閣が問われるのです」(金融関係者)

自民党細田派関係者が菅政権を猛批判する。

「新型コロナ第3波による二度目の緊急事態宣言は、菅政権にとって人災といっても過言ではない。二階幹事長にそそのかされ、コロナが完全終息していないのに景気回復策であるGoToキャンペーンを強行。国民もこれにつられ、旅行だ、会食だ、カラオケだと大ハシャギし、一気に再感染拡大となった。安倍政権が鎮静化させたコロナを再拡大させたのは、間違いなく菅政権だ」

同関係者はさらにボルテージを上げる。

「緊急事態宣言発令地で福岡と静岡を言い間違えるなど、明らかに菅首相は自信喪失している。鶏卵疑惑の〝感染拡大〟にも注視しなければならない。そこに五輪中止で総選挙なら、自民党のボロ負けは必至だ。総選挙前に〝表紙〟を代えるため、二階幹事長を除いた自民党幹部らが水面下で動き出したのは事実だ」

すでに絞られている“ポスト菅”候補とは…

菅首相への突き上げは自民党内外からも顕著。

「菅政権発足の9月から今年1月までの読売新聞世論調査で、支持率は74%から39%に急落した。自民党そのものの党支持率は横ばい。だから〝菅首相では戦えない。代えろ〟の声が自民党内に渦巻いているのです」(選挙アナリスト)

具体的に〝菅おろし〟のタイミングはいつか。

「緊急事態宣言は2月7日まで。それまでにコロナが東京で1日500人以内にならなければ、菅批判が吹き荒れる。加えて、五輪中止発表で菅おろしは表面化する」(前出・細田派関係者)

すでに〝ポスト菅〟候補は絞られているという。

「再々選を狙う安倍前首相は桜疑惑で今回はない。石破茂元幹事長は博多の3密ふぐ会食でジ・エンド。女性首相候補の野田聖子幹事長代行は、地元の岐阜県知事選で保守分裂選挙となり地盤が盤石ではない。先ごろ〝ワクチン接種担当大臣〟に急きょ指名された河野太郎行政改革相は、無党派の若者層には人気があるが、国会議員や党員には支持がまるでない。麻生太郎財務相は高齢。となると、消去法で最有力なのは岸田文雄元政調会長だろう。岸田氏には、広島と山口で繰り広げられる二階派VS岸田派抗争があり、二階幹事長つぶしも期待されている」(全国紙編集委員)

東京五輪中止決定が政局に発展するのは必至だ。

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