中国の渡航自粛「どこ吹く風」日本の旅館・ホテル市場が過去最高益へ

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昨年11月に、高市早苗総理の台湾有事に関する発言に言いがかりをつけ、中国政府が日本への渡航自粛を自国民に求めてから、はや5カ月。一時期は観光産業への大きな影響が懸念されたが、影響があったのは中国からのインバウンドを専門に扱う、中国人が運営している業者が多く、日本の観光産業、特に旅館・ホテル市場においては、あまり影響がなかったようだ。

旅館・ホテル市場が過去最高を更新へ

3月30日に帝国データバンクが発表した「全国「旅館・ホテル市場」動向調査(2025年度見通し)」によると、'25年度の旅館・ホテル市場は、過去最高を更新する可能性が高まっている。

'26年2月末までの各社業績推移・業績予想に基づいた'25年度通期('25年4月-'26年3月)の国内旅館・ホテル市場(事業者売上高ベース)は、6.5兆円に到達する見込み。これは過去最高だった前年度(6兆652億円)を上回り、4年連続の増加が見込まれていることが明らかとなった。

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万博効果と「ローカル体験」が追い風

'25年は4~10月まで開催された関西万博の影響もあるが、地方都市でも地域の自然や独自の文化など「ローカル体験」を求める訪日客の増加で、宿泊需要が底堅く推移し、全体を押し上げる要因となっている。

原油高騰・人手不足…下振れリスクも

中国の渡航自粛は“どこ吹く風”の日本の観光業界だが、近時のイラン攻撃による原油価格急騰のために、航空運賃の上昇や航空機の運航制限が生じ、これにより、欧州各国からの訪日客減少が懸念されるなど、先行きには下振れリスクも内包している。

また、業界全体における人手不足は解消されておらず、DXなどの構造上の変革が追いついていると言えない状況だ。

ホスピタリティの維持が次の課題

ひとまず、中国に左右されない市場が構築されていることは明らかとなったホテル市場だが、今後も従来と同様のホスピタリティを提供し続けることができるかが、さらなる拡大のポイントとなりそうだ。

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