新型コロナの感染拡大による一般患者の激減で、民間病院や街のクリニックの経営が悪化しているという。
「コロナ禍の直撃を受けた医療機関では、昨年から来院患者が減っており、中には倒産の危機に瀕しているところもある。国からワクチンが供給されれば、患者急増で救われますよ」(医療ライター)
昨年4月の段階で、約2500の民間病院などが加盟する全日本病院協会は、「新型コロナウイルス以外の患者の減少などで病院の経営が厳しくなっている」との認識を示していたが、街のクリニックでも同様に経営が悪化している。
「緊急事態宣言が繰り返され、コロナ禍の前と比べれば患者は激減しています。患者が減ることはいいことなのですが、実際は体調が悪くてもコロナ感染を恐れて、受診控えをしている方が多いんですよ」(都内の内科クリニック医師)
1961年に国民皆保険制度が確立して以降、国民医療費は増え続けていたが、昨年4月から今年3月までは、過去60年間に前例がない2~3%台で減少する見通しになった。中でも、小児科と耳鼻咽喉科の診療報酬の減少が著しい。
経営が悪化していた医療機関は救われる
「小児科は子どもの治療が無料ということもあり、コロナ以前は必要以上に受診させていたのが、外出自粛要請でめっきり減った。耳鼻咽喉科はマスク着用が常態化したことが花粉症予防につながり、患者が減ったと推測されます」(前出・医療ライター)
政府はワクチン接種の担い手として、歯科医師もワクチンが打てるように調整している。現在認められている医師や看護師以外にも間口を広げ、今後本格化してくる接種に向けて人員を確保するためだ。
「民間病院や街のクリニックでも接種体制が整えば、ワクチン接種が受けられるようになる。短期間で大人数にワクチン接種すれば、診療報酬は激増し、経営が悪化していた医療機関は救われますよ」(都内の小児科クリニック院長)
ワクチン接種は、窮地の医療機関をも救うことになりそうだ。
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