新型コロナ禍によるテレワークや外出自粛で、オフィス周辺や観光地の自動販売機などは売り上げが減少している。しかし、スーパーやコンビニ、ドラッグストアといった生活圏エリアでは、炭酸飲料の売り上げが無糖炭酸水を中心に拡大しているという。
「昨年の清涼飲料水市場における全体の販売数量は、前年比93%程度だったが、大容量サイズの炭酸水と無糖炭酸水は売り上げを伸ばした。家族そろって爽快感やリフレッシュを求めたことで、大容量サイズが売れているのです」(消費生活ライター)
炭酸水の生産量は2019年に31万3700リットルを記録し、10年前から約8倍に伸長していたが、いわゆる〝コロナ後〟は清涼飲料市場の中で最も勢いのあるカテゴリーとなっている。また、「無糖」と「強炭酸」という特徴が多くの人々に受け入れられ、どんな場面でも飲まれている傾向にあるようだ。
健康志向の高まりが後押し
「その一方、ウイスキーや焼酎などのお酒の割り材として、果汁やフレーバー入りタイプの炭酸水が、売り上げを急激に伸ばしています」(飲料メーカー関係者)
飲食店の営業時間短縮や外出自粛で、自宅で飲む〝家飲み派〟が急増。安く気持ちよく酔うために、家飲み派は酒類を炭酸水で割って飲む傾向。しかし、自宅で飲むという安心感から、つい飲み過ぎてしまうということが多くなる。
「コロナ禍で運動不足になった上に、お酒によるカロリーオーバーで肝硬変や脂肪肝になるケースが増えている。これらを予防する健康志向の高まりも、無糖炭酸水の売り上げを後押ししています」(医療ライター)
外出自粛の長期化でストレスが溜まる一方の庶民には、スカッと爽やかになる炭酸飲料が、せめてもの救いかもしれない。
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