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「アルコール依存症」女性患者が急増!“自粛生活”長期化のストレスか…

B-D-S Piotr Marcinski / Shutterstock

英国では新型コロナ感染拡大によるロックダウンでアルコール依存症に関連した死亡者が急増している。一方、日本は外出自粛長期化でアルコール依存症の女性患者が目立つという。

英国の国家統計局のデータによると、2020年、人口の約90%に当たるイングランドとウェールズでアルコール乱用に関連した死亡者の数は16%増。「パンデミックのストレスに関連した飲酒量の増加によって持病が悪化し、それが死亡者数の増加につながっている」と指摘している。

「日本の場合は飲食店に対する営業時間短縮要請が全国各地で長期化しているため、自宅で飲酒するケースが増えています。しかも、安くて口当たりのいい高濃度の缶酎ハイなどを飲み過ぎる人が多くなりました」(医療ジャーナリスト)

昨年4月からの外出自粛による〝巣ごもり〟に加え、今年はコロナ感染拡大防止のために正月休みが長かった。しかも、正月休みが明けた途端、緊急事態宣言が再発令され、また家で飲む生活に逆戻りという悪循環が続いている。

「自宅で飲酒すれば終電を気にしないで飲めるから、つい飲み過ぎてしまう。結果、気が付いたらアルコール依存症に陥っているケースが続発しているのです。特に女性は外出自粛による孤独感、家事・育児の負担増によるストレス、夫がテレワークで毎日自宅にいるためにケンカが絶えない等々、鬱憤を晴らすために酒量が増える。女性は女性ホルモンがアルコールの代謝を阻害するため、男性より酔いやすい。体内に長い時間アルコールが留まりやすいのです」(酒類マーケティングリサーチ会社関係者)

安くてすぐに酔える『レディ・トゥ・ドリンク』

実は、20代の女性と男性の飲酒率は2008年から逆転しているのだ。

「女性飲酒者はビールではなく、『レディ・トゥ・ドリンク』(RTD)と呼ばれる缶酎ハイなどを愛飲しています。一般的な缶酎ハイのアルコール度数は3~6%でビールとほぼ変わりませんが、ストロング系になると9%が主流。中には12%と日本酒やワインに匹敵する缶酎ハイもあります」(同)

ここ数年、酒類市場はビールの出荷量が連続で過去最低を記録する反面、酎ハイやカクテルなどのシェアは拡大している。

「安くてすぐ酔えるので女性に人気があるのです。コロナ禍による外出自粛などで、今年に入ってからアルコール依存症を訴える女性患者が増えているのは事実ですね。急性アルコール中毒になれば、死亡するケースもある。イギリスのアルコール関連の死亡者続出は、決して他人事ではありません」(都内の公立病院アルコール専門外来医)

これから花見や歓送迎会シーズンを本格的に迎えるが、酒量は控え目に。

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