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高須克弥院長『愛知県知事』リコール運動が”虚偽署名”として自らが窮地に

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美容外科『高須クリニック』の高須克弥院長らが中心となって行われた「大村秀章愛知県知事リコール(解職)運動」で、昨年暮れ、署名の8割を超えるものに選挙人名簿に登録されていない人物や同一人物の筆跡と疑われる署名があったと明らかになった問題で、先ごろ、新たな報道がなされた。

その内容は、愛知県名古屋市の広告関連会社の下請け会社が、大手人材紹介会社を通じてアルバイトを募集し、貸会議室などで書き写させていたというもの。昨年10月の複数の日に、大勢のアルバイトが1人当たり数時間~十数時間ほど、時給950円で参加したという。

大村知事リコール運動は、2019年に開催された国際芸術祭『あいちトリエンナーレ』の企画展で展示された、昭和天皇の写真をバーナーで焼き灰を足で踏みつけるような映像作品や、元慰安婦を象徴する少女像、ドーム状の「間抜けな日本人の墓」という作品の公開を認めた件について、知事にふさわしくないとした高須氏らがリコールすると宣言していた。

この運動はツイッターの一部で盛り上がりを見せ、河村たかし名古屋市長、作家の百田尚樹氏、政治評論家・竹田恒泰氏、ジャーナリストの有本香氏、武田邦彦中部大特任教授らが応援団として後押し。吉村洋文大阪府知事も「リコールという制度が民主的に認められているので、それに取り組むことには賛成だ」と答えていた。

高須院長は孤立無援!?

署名数は、約43万5000人分を数え、愛知県選挙管理委員会へ提出されたが、昨年12月28日付の共同通信による配信記事で、署名8割超の約36万2000人分が有効と認められない内容だと報じられ、高須氏は去る2月4日の記者会見で「署名簿は決して虚偽ではないと思っている」などと述べ、不正の指示は否定していた。

県選管は2月15日、容疑者不詳で地方自治法違反容疑で告発状を県警に提出し、受理されたと明らかにしている。

一方、高須氏は告発された日にツイッターで、

《ほら、僕が予想した通りに大村知事が動いているでしょ。何で選挙管理委員会でなく、大村知事が発表するんですか? 選挙管理委員会は大村知事から独立した機関じゃないのですか? あんなに沢山大村知事の所業に怒って堂々と署名してくださった愛知県の皆さんはおかしいと思わないのですか?》

このように大村知事を糾弾し、あくまでも自らに疑惑はないというスタンスを崩していない。ところが、応援団だった河村名古屋市長は「僕は被害者」と告発状の提出も視野に入れ、吉村大阪府知事は「誰が、どのくらい、どういうふうな不正をしたのか徹底的な真実解明がされるべき」と、一歩引いたスタンスに変化し、百田氏、竹田氏、有本氏、武田教授は沈黙をして弁明すらしていない。

見方によっては孤立無援になった高須氏だが、真相が明らかになったときにどんな口上を述べるのか注目したい。

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