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奥の手!? 小池都知事「東京五輪中止」カードで菅政権を撃破か?

小池百合子
小池百合子(C)週刊実話Web

任期満了に伴う東京都議会議員選挙の投開票日が7月4日(6月25日告示)に決定し、各党とも臨戦態勢に突入しつつある。

そんな中、4年前の都議選で小池百合子都知事が立ち上げ、都議会第一党に躍り出た『都民ファーストの会』が苦戦している。生みの親、小池都知事がコロナ対策に追われ、都民ファーストの存在感が薄れ、都政運営のため露骨な自民批判を控えたことから勢いが失速気味なのだ。

「前回の都議選大敗でリベンジに燃える自民党東京都連は勢いがある。小池旋風で当選した都民ファーストはどこまで議席を維持できるかが最大の焦点」(選挙アナリスト)

都議選で負ければ、小池都知事は求心力を失う。都知事周辺からは「伸び悩む都民ファーストの起死回生のため、小池氏はウルトラCの秘策を練っている」という極秘情報が漏れだしてきている。

まずは、全国紙都政担当記者が現在の都議会勢力図を解説する。

「都議会127議席の第一党は都民ファーストで48議席、都民ファーストと歩調を合わせる公明党が23議席です。2党で過半数64議席を7議席超え、小池都政を支えています。これに対し、2017年の都議選前は57議席で第一党を誇るなど、長年都議会を牛耳ってきた自民党は、小池氏からブラックボックスなどと大批判を受け23議席の大敗、大きく後退していた」

17年の都議選で圧勝したにもかかわらず、その後、小池都知事は自民党との激しい対立を控えることが多くなった。

7月の都議選は自民党の圧勝!?

「17年衆院選挙の『排除します』発言で小池新党が大敗したのが痛かった。さらに、小池都知事が自民党の二階幹事長と親しいこと、昨年の都知事選で自民党が対立候補を擁立しなかったこと、コロナ対策で与党の大きなバックアップの必要性から、自民党との激しい対立を控えめにしているのです。しかし、反比例して都民ファーストの影は薄くなった。その証拠に、都民ファーストから離党議員が相次いでいます。昨年暮れも中央区選出の西郷歩美都議が離党し、『日本維新の会』に移った。都民ファーストからの離党者は、6人目となった」(同)

実は、都民ファースト瓦解の兆しは起きていた。

「昨年7月、4選挙区で都議補選があった。7月の都議選を占う意味でも注目の選挙だった。しかし、都民ファーストが候補を擁立したのは北区だけ。この選挙区は前回、音喜多駿氏(日本維新の会移籍、現参院議員)を擁立し、トップ当選させた選挙区。今回も満を持して元タカラジェンヌの天風いぶき氏を擁立した。だが、結果は前回選挙で議席を失った自民党が山田加奈子氏を当選させたばかりか、天風氏は立民と維新候補にも大差で負け、4位となってしまった。解せないのは、北区補選に小池都知事が応援に入らなかったこと」(都民ファースト関係者)

他の3選挙区補選では、いずれも自民党が勝ち、自民復調の機運を見せつけたのである。

「二階幹事長ともツーカーの小池都知事は、二階幹事長が担いだ菅首相とも関係を修復しつつある。かつて天敵だった自民党東京都連の内田茂元幹事長との手打ちも噂されている。要は、都民ファーストから小池都知事が少しずつ距離を置き始め、自民党寄りになっている。最早、都民ファーストは敵ではない。むしろ、都民ファーストから逃げ出したい都議をリクルートしているほどだ。7月の都議選で自民党は60人前後を擁立し、都議会第一党を奪還する」(自民党都議)

『東京五輪中止』で都民ファースト旋風再び!?

自民党に最接近する小池都知事の豹変ぶりに対し、小池氏周辺関係者は苦笑しながらこう否定する。

「小池都知事は1月22日の定例会見で『都民ファーストにエールを送っていきたい』と述べている。昨年の北区補選を引き合いに小池都知事が都民ファーストを見捨てるという見方もあるが、それは間違い。事実、千代田区長選では都民ファーストの樋口高顕前都議を応援した。都政運営に隙あらば都知事の足元をすくい、潰そうという魂胆を抱く自民党関係者は依然多い。だから小池都知事は都民ファーストを今回も第一党にして、公明党と併せ過半数維持が理想と考えている」

とはいえ、現実は厳しい。この小池氏周辺関係者ですら「都民ファーストは20議席前後しか取れない」と見ており、「補選で強みを発揮した自民党が相当数、議席を伸ばす勢い」と危機感を露わにするほど。

「このままでは小池都政は立ち往生する。そうなれば、元来、水と油の菅首相は至る所で牙を剥いてくるだろう。それを阻止し、都民ファーストを前回並みに勝たせなければならない。今、そのシナリオを描き実行に移す運びだ」(同)

ここで、逆境を一転させる秘策があるという。

「東京五輪中止をぶち上げるのです。NHKの世論調査(1月)でコロナ禍での東京五輪中止と延期論は77%。他の世論調査でも同様です。都民に至っては8割だ。菅首相は政権浮揚のため、何が何でも東京五輪をやりとげたい。機を見るに敏な小池都知事は『東京五輪中止』カードを胸元にしまっており、ここぞという時の切り札にしているはず。都民ファースト旋風が再び巻き起こり都議選に勝利を収めれば、菅政権はジ・エンド。女性初の首相への道も開けてくる」(同)

小池マジック炸裂!

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