「党執行部による明らかな岸田派つぶしだ!」
自民党岸田派で、菅首相と二階幹事長に激しい憎悪が渦巻いている。というのも、公明党が広島3区に斉藤鉄夫副代表を擁立することを決定したからだ。
「広島3区の現職は、昨年の参院選に絡む買収事件で公判中の元法相・河井克行被告です。次の総選挙で河井被告は事実上出馬不可能なため、自民党広島県連は公募で新たな候補を擁立すると決めたばかりでした」(全国紙政治部記者)
河井被告は自民党を離党しており現在は無所属だが、広島は派を率いる岸田文雄前政調会長(広島1区)を筆頭に6人もの国会議員がいる岸田派の牙城だ。そこに公明党が割って入る動きを見せているのに、菅・二階の両氏が完全スルーのため、冒頭のような怒りの声が噴出しているのだ。
「公明がここまで強気なのは、支援組織の創価学会とツーカーの菅首相と二階幹事長に内々、承諾を得ているからだともっぱらだ」(岸田派議員)
岸田氏の求心力低下を狙う菅・二階連合
強気の理由は2つあるという。
「1つ目は河井夫妻の選挙違反で、仮に新たな候補者を擁立したとしても、自民党所属では勝てないと踏んだため。2つ目は、これまでも公明党が選挙協力しなければ野党候補に勝てなかったケースがあるからです。そこで、過去に比例中国ブロックで当選し、環境相も務めて広島では知名度のある斉藤氏の擁立に公明党が動いたんです」(前出の政治部記者)
菅・二階連合は、総選挙で勝ち、コロナもほどほどに抑えて経済がこれ以上失速しなければ、来秋の総裁選でも菅氏再選濃厚と踏んでいる。その際、最大の難敵となりそうなのが、安倍前首相や麻生財務相の支援も期待できる岸田氏なのだ。
「岸田さんの勢いを削ぐには、47人の岸田派を総選挙で1人でもつぶすこと。そのため二階さんは静岡、山口、沖縄で競り、広島は公明を使って岸田派つぶしに出た。岸田さんがこのまま候補者を擁立できなければ求心力が衰え、来年の総裁選出馬は無理でしょうね」(同・記者)
まさに仁義なき戦いだ。
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