ホテルや旅館などの宿泊業者にとって、夏休みシーズンはかき入れ時のはずだが、都心部の宿泊施設はかつてない打撃を受けている。
ゴールデンウイーク以降、客室稼働率は改善傾向にあったものの、東京都による四度目の緊急事態宣言や五輪が無観客開催になったことで、宿泊予約のキャンセルが相次いでいるのだ。
『The Okura Tokyo(旧ホテルオークラ東京)』や『ザ・プリンス パークタワー東京』などには、利権をむさぼるIOC(国際オリンピック委員会)関係者が宿泊しているが、シティホテルやビジネスホテルは客室稼働率が著しく低下している。観光庁によると、7月の客室稼働率が10%台まで落ち込んだホテルもあるという。
また、都心部のビジネスホテルは、東京五輪・パラリンピック期間中に帰宅が困難になった組織委員会スタッフの宿泊先となっているが、ここでも困った現象が起きている。
まさに税金の無駄遣い
「毎日、数十名分の予約は入るが、実際に宿泊する方は1人か2人だけ。朝食用の食材は廃棄せざるを得ず、まさに税金の無駄遣いですよ」(ホテルスタッフ)
一方、沖縄や九州、北海道、関西地方のホテルは、7月の4連休以降、予約が急増していたのだが…。
「東京や神奈川、千葉、埼玉など、首都圏からいらっしゃるお客様が、半数以上を占めていました。コロナ感染拡大前の一昨年の水準まで戻りつつあったのですが、7月30日に緊急事態宣言のエリアが拡大されると、一気にキャンセル数が増えてしまいました」(沖縄のリゾートホテル)
大手航空会社によると、お盆休み中の国内旅行は昨年の3倍超の予約が入っていたという。
「ワクチン接種が進んでも、政府は『県をまたぐな』と言うばかり。五輪で国境を越えるのはOKしているのだから、その根拠を説明してほしいものです。何はともあれ、昨年の夏と何も変わらない状況に呆れ声も出ませんよ」(同)
カネと利権に絡む政府や政府の〝お友達企業〟が東京五輪を強行開催したわけだが、そのツケに全国の宿泊業者は苦しんでいる。
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