今や子供が将来就きたい職業の上位にランクされる「ユーチューバー」だが、有名人や芸能人に便乗して、裏社会のアウトローたちが続々とデビュー。そのため、警視庁のサイバー犯罪対策課と暴力団担当の組織犯罪対策4課が、オレオレ詐欺に続く新たな資金源になると捜査に乗り出している。
「以前から自称を含むアウトローのユーチューバーが目に付きましたが、最近は半グレや元ヤクザだけでなく、現役暴力団員まで登場している。警察の取り締まりが厳しく、しのぎができなくなった暴力団が参入したとみています」(捜査関係者)
YouTubeでは再生回数に応じて、広告料の一部が投稿者に支払われる。現在、世界では80カ国以上で、数百万人が投稿。トップクラスの年収は1億円を軽く超える。日本でもYouTube発の個性派タレントが誕生しており、『とんねるず』の石橋貴明のように、ユーチューバーとして人気回復したケースも多い。
やっていることが漫画です
「アウトローは過去の武勇伝や喧嘩について語るほか、同類のアウトローを貶め、対立構造をつくって再生回数を稼いでいます」(裏社会に詳しいライター)
YouTubeの運営側は、危険ないたずらや暴力的、性的な動画などを規制するガイドラインを設け、投稿を禁じている。違反が確認された場合は動画を削除し、投稿者側に警告するが、複数回にわたるとアカウントを停止される。
ところが、アウトローによる投稿は、迷惑系ユーチューバーやガイドラインの範疇に入らない。
「元ヤクザのユーチューバーに対して、ある暴力団幹部は『破門されたろくでもない人間。やっていることが漫画です』と呆れています」(同)
YouTubeで広告収入を得るためには振込先の口座が必要だが、今や暴力団員は銀行口座を持てない。従って、広告料の振込先は第三者になるが、そうなると運営側がチェックすることは難しい。
有象無象が進出するYouTube業界。そろそろ運営側にガイドラインの見直しが迫られそうだ。
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