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東京五輪“不穏なカネ”絶えない噂の中で「JOC経理部長」自殺の闇

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東京五輪の開催に向けて国民の気運が盛り上がらない中、菅義偉首相は「安全、安心な大会」を繰り返し、開催を強行する意向とみられている。

しかし、6月7日の朝、五輪開催派に最大級の逆風が吹いた。日本オリンピック委員会(JOC)経理部長の男性・A氏(52)が、東京都品川区の都営浅草線中延駅で普通電車にはねられ、搬送先の病院で死亡したのだ。

当初、A氏がホームから1人で線路に飛び込む姿の目撃証言もあり、警察は自殺とみて捜査を始めた。

「A氏の身元が割れ、警察が何度もJOCにコンタクトを取ったが、『そんな人はいない』との一点張りで確認に時間がかかったそうです」(全国紙記者)

職員数が60人に満たないJOCの中で、名前を聞いても特定できないというのは極めて不可解な話である。

1日あたり35万円の人件費

A氏が責任ある立場だったことから、すぐさまインターネット上では臆測が入り乱れ、JOCの山下泰裕会長が『週刊文春』の報道に過剰反応したことも、怪しさに拍車をかけた。真相は藪の中だが、東京五輪のカネにまつわる不穏な噂は絶えない。

5月26日に開催された衆院文科委員会では、東京五輪組織委員会が広告代理店に委託しているディレクターの人件費が、1日あたり35万円と異常に高額であると野党議員に指摘された。

過去には東京五輪の招致をめぐり、JOCの竹田恒和前会長がフランスの検察当局に贈賄容疑で捜査を受けていた経緯もある。

「今回の経理部長の件は自殺と断定され、事件化することはないでしょう。今後、遺書などが見つかり五輪の不祥事が発覚するようなことがあれば別ですが…」(JOC関係者)

死人に口なしだが、JOCの闇が暴かれる日は来るのだろうか。

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