公務員の成人向け作品出演が〝信用失墜行為〟にあたるか、激論が交わされている。
4月22日、埼玉県越谷市の消防職員が成人向け作品に出演していたとして、停職6カ月の懲戒処分となったと発表された。
職員は消火活動などを担当していた26歳の男性消防副士長で、今月上旬、市HPの問い合わせフォームから「職員が成人向け映像作品に出演しているのではないか」と匿名の通報が寄せられたことで判明した。
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聞き取り調査の結果、2022年12月から計5回撮影に参加し、約25万円の報酬を受け取っていたことを認めたという。
「タレントとしても通用するような超大物でない限り、男優のギャラはどんなに高くとも5万円ほど。一般人も参加できるいわゆる汁男優では、5回の出演で25万円など到底稼げないでしょう。逆に男性同士の作品であれば、どんなに安くとも5万円ほどが相場。おそらく、この職員は消防士という筋骨隆々の肉体を活かし、男性同士の作品に出ていたのでは」(エキストラ参加経験者)
公務員は無許可での副業が法律で禁止されているため、上司等の許可を取っていないビデオ出演は法律違反となる。無論、ビデオ出演の許可など取ることは難しく、処分もやむないだろう。
実は、消防士による出演トラブルは定期的に発生している。
「職業に貴賎なし、という道徳に明らかに反する」
2013年8月、大阪府四條畷市の20歳男性消防士2人が、男女両方との〝絡み〟を行う作品出演で懲戒処分された。
同月には、この消防士と面識のあった守口市の26歳、門真市の27歳消防士も同じシリーズに出演していたことが発覚し、芋づる式に処分されている。
17年9月にも、栃木県真岡消防署・芳賀分署の26歳男性消防副士長が、同様の事案で懲戒処分ののち依願退職。やたらと26歳が多いが、処分はいずれも停職6カ月と、今回のケースも前例に倣ったことが分かる。
今回の処分について、越谷市の消防局消防長は「公務員として住民の信頼を大きく損なう行為で心よりお詫び申し上げます」とコメントし、副業と地方公務員法第33条で定められる〝信用失墜行為〟にあたることからの処分だと説明している。
だが、公務員のビデオ出演については《信用失墜行為にはならないと思う。別にええやん》《裏金目的でパーティーを開く奴らの方が金額含め余程罪は重いと思うけどね》《火災の時助けてくれるならかまいません》《信用失墜行為はその業界で働く人間に対する冒涜ではなかろうか?》《職業に貴賎なし、という道徳に明らかに反する》など、市井で議論が交わされている。
処分された消防士はいずれも、動機について「お金に困っていた」と話していることが報じられている。
真っ当な報酬が支払われていれば起こらなかったわけで、〝小さな政府〟という美名の下、公務員の人件費抑制に勤しむ政策が引き起こした悲劇と言っていいかもしれない。
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