2018年に2000安打を達成した球界のレジェンド・内川聖一。しかし、昨年は一度も一軍に上がることなく飼い殺しにされ、ヤクルト移籍を決断。そんな「第2の内川事件」が再び起きようとしている――。
福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督が、24歳の若鷹・栗原陵矢の〝三塁コンバート案〟を明らかにした。栗原は昨年の日本シリーズで巨人のエース菅野智之から先制2ランを放った、4年連続日本一の立役者でもある。
「登録は捕手ですが、外野や一塁でも起用されてきました。シリーズ第1戦もライトでのスタメン出場でした」(スポーツ紙記者)
三塁転向は勢いのある若手にとって、出場機会を増やす絶好のチャンス。だが、三塁にはチームの看板選手・松田宣浩がいる。
「センターの柳田悠岐の一塁コンバート案も聞かれます。柳田は打線の中核ですが、近年は怪我をしがちで、守備力は落ちているとの厳しい評価も聞かれます。守備範囲も広くない。一塁転向はむしろ幸い」(同・記者)
しかし、一塁には4番も務めた中村晃がいる。今季の松田、柳田は出場機会が激減するかもしれない。
「将来の大砲候補で、王会長も期待する砂川リチャードも三塁練習をしています。ほかに三塁には増田珠や野村大樹といった若手がいて、19年に28本塁打を放ったグラシアルも三塁が守れます。グラシアルは一塁守備に入ったこともありました」(関係者)
世代交代は“退く人”が引き受ける!?
今回のコンバートは、ベテランを一掃しかねない。
「昨春、内川はオープン戦で出遅れて二軍スタートとなり、そのまま一軍昇格のチャンスを与えられませんでした。ベテランはキャンプ、オープン戦でのスロー調整が許されています。ソフトバンクは『右の大砲タイプの内野手』を探しており、リチャード、増田らに大きな期待が寄せられています。そのレギュラー予備軍がキャンプ序盤からアピールしてきたら、マイペース調整する松田たちの戻る場所がなくなっていた、なんてことになりかねません」(同)
工藤監督は2年契約の最終年を迎える。過去6年で日本一5回。巨大戦力を巧みに使いこなしてきた手腕はさすがだが、今季よりヘッドコーチに小久保裕紀氏が帰還した。
「急激な世代交代は反感を買ってしまいます。そういう悪い話は〝退く人〟が引き受けていくということなのでしょう」(同)
今季もレジェンドの放出は避けられないのか。
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