スポーツ

日ハム・中田翔“楽天へ緊急放出”か? 田中将大との深い因縁とは…

札幌ドーム
札幌ドーム (C)週刊実話Web

チームメートへの暴力行為により所属する日本ハムから無期限出場停止処分を受けた中田翔内野手の「8月中の緊急トレード」が急浮上した。この〝暴れん坊〟を制御できるのは、あの田中将大投手だけと判断。栗山英樹監督が逆転優勝を狙う楽天に緊急即売を決意か…。

首位オリックスに1.5ゲーム差で折り返し、後半戦での逆転優勝を狙う楽天が、中田に「助け船」を用意した。このままでは、契約解除もありうると危惧した栗山監督が、水面下で石井一久監督兼GMにトレードを打診し、三木谷浩史オーナーに最終判断を仰いでいるという。両球団事情に詳しいプロ野球解説者が明かす。

「〝番長〟と呼ばれた清原和博氏の2世といわれた中田のヤンチャぶりは、今に始まったことじゃありません。しかし問題は、チームの中でしっかり叱ることのできる指導者、先輩がいなかったことに尽きます。栗山監督はさまざまな善後策を検討する中で、楽天に中田をコントロールできる選手が1人いると結論。それが球界の大エース・田中将大投手です。幸い、今季はコロナ禍の特例でトレード期限が8月末、滑り込みセーフの可能性があります」

実は中田と田中には深い因縁がある。高校時代からのライバルで、しかも田中が1学年上。独特の上下関係が構築されているのだ。

駒大苫小牧で2005年夏の甲子園を制した田中(当時2年)が準決勝で対戦したのが、平田良介(同3年・現中日)、中田(同1年)を擁した大阪桐蔭。試合は延長10回に6対5で駒大苫小牧が逃げ切ったが、5回の打席で中田は田中の内角高めの球にのけぞり、ガンを飛ばした。1年生の極めて無礼な態度に田中は目をむいたが、以来、一目置く存在になったという。

優勝を狙うには大砲の補強が必要

「栗山監督は、現在の球界において中田を制御できるのは大阪桐蔭の先輩・平田と田中だけと分析している。田中はプロ野球で頂点を極めヤンキースでもエースとして活躍し、日本に戻った今季はNPB最高年俸(9億円)で別格の存在。その超大物が同じベンチにいれば、中田もこれまでのような傍若無人な態度は取れない。一方、東日本大震災から10年を迎えた今季、楽天は何としても優勝したい。中田の新天地はここしかないと考え、石井監督とのホットラインを使って交渉を進めているようだ」(楽天OBの野球解説者)

今季の楽天は先発陣に田中以外にも則本昂大、早川隆久、涌井秀章、岸孝之が揃い、抑えにも松井裕樹が控えており投手陣はリーグ最強との呼び声が高い。しかし、打線は浅村栄斗、岡島豪郎、島内宏明、鈴木大地らが活躍しているものの、新外国人が揃って不振。R・カスティーヨは左脇腹を痛めて長期離脱し、B・ディクソンも低調で、打率、打点、本塁打ともトップ20に助っ人が1人もいない。

優勝を狙うには大砲の補強が必要で、しかも浅村以外は左打者ばかりが並ぶ偏重打線。さまざまな事情が重なり今季の中田は結果を出せていないが、昨季は108打点で打点王を獲得し、本塁打もキャリアハイの31本を記録した。環境が変われば、復活の可能性はある。

メジャー経験者の石井監督が〝助っ人外国人〟と考えて獲得すればメリットは計り知れないと三木谷オーナーに進言しているという。

ところで、中田の暴力行為が発覚し、球団が自宅謹慎、出場停止処分を発表したのは8月11日。解せないのは、選手同士のトラブルで中田は被害者の選手に謝罪し、被害を受けた選手も公表を望んでいなかったにもかかわらず、あえて球団が公にした点である。

“給料減らし”目的のテイのいい口実

「どこかのメディアにすっぱ抜かれたのならともかく、球団が自ら暴行事件を公表したのは、〝給料減らし〟目的のテイのいい口実ですよ」

そう話すのは、在京球団のフロント幹部。話は続く。

「思い出されるのが、17年7月の巨人・山口俊投手のトラブルです。都内の飲食店で泥酔して右手の甲を負傷した山口は、訪れた病院の出入口扉を壊したほか、警備員に暴行して傷害と器物損壊で書類送検されました。その際、巨人はシーズン終了まで出場停止とし、その間は1日につき年俸の300分の1を罰金として徴収しました。当時の山口は年俸2億3000万円(推定)で、これで減俸額は実質1億円以上。おそらく中田にも、これと近い処分が下されるようです。コロナ禍で、どこの球団も経営は苦しい。球団が公表した理由が透けて見えます」

楽天からしても、中田の年俸ベースを実質的に下げてもらったことで金銭トレードが容易になり、受け入れの環境が整った。

楽天グループが11日に発表した今年6月中間連結決済は、純損益が654億円の赤字。コロナ禍の〝巣ごもり需要〟でネット通販事業や銀行、証券事業は堅調だったものの、新規参入した携帯電話事業の費用がかさみ大きく足を引っ張った。

「収益アップのためなら、三木谷さんはどんなことでも清濁併呑の度量を持つ経営者。楽天の優勝で携帯電話事業の巻き返しをもくろんでおり、そのためなら暴れん坊の獲得にも理解を示している」(楽天球団関係者)

何事もトップダウンの楽天は、方向が決まれば決断は早い。今季のトレード締め切りまで約2週間。中田の行き先は逆転優勝が可能な仙台だけと言っていい。

あわせて読みたい