消費者金融で働いている剛さん(仮名・46歳)は、昨年のコロナ感染の後に霊が見えるようになってしまった1人だ。
剛さんは感染発覚から5日目に重症化してしまい、一時ICUにも入っていたという。
「2回目の緊急事態宣言の前だったので、すぐに入院できて良かったのかもしれません。でも、ICUでの記憶は全然ないんですよね。気がついたらベッドにいました。退院するまで1カ月半かかったのですが、病院内で意識が戻ったときから、霊のようなものが見えるようになったんです。最初は『なんでコロナ病棟に患者さんが突っ立ってるのか?』と思ったんですが、看護師さんや先生は誰も気がついていない。そこで『あれは、この病院で死んだ人の霊だ』って分かって…。自分も、あと少しで同じような霊になったかもしれないのかと思うと、なんとも言えない気持ちになりました」
生きている人と死者が入り混じった世界
退院してからも、剛さんの視界から霊は消えず、あちこちで霊を目撃し続けたという。
「霊そのものが怖いという感覚はないのですが、街を歩いたり、人と会うのがすごい疲れるようになってしまいました。だって、そこかしこにいるんですから。生きている人と死者が入り混じった世界に突然放り込まれることを想像できますか? 生まれつき霊感を持っている人なら、それが当たり前なのかもしれませんが、40年以上普通の世界で生きてきた人間が、急に見えるようになったんですから、辛いですよ。肺が時々苦しくなるとかの後遺症もあるんですが、一番辛いのは霊が見えるようになったことですね。これ、いつか見えなくなるんでしょうか…? 『コロナなんて、ただの風邪』だと思って、夜遊びして感染した当時の自分を殴りたいです」
新型コロナ感染で霊が見え始めた③に続く
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