『フリー・ガイ』／8月13日（金）より全国公開中～LiLiCo☆肉食シネマ

『フリー・ガイ』
監督／ショーン・レヴィ
出演／ライアン・レイノルズ、ジョディ・カマー、ジョー・キーリー、タイカ・ワイティティ、リル・レル・ハウリーほか
配給／ウォルト・ディズニー・ジャパン

お仕事お疲れ様です！　私は今、とっても爽快な気分に浸っています。なんて可愛らしくて、奥が深くて、素敵な娯楽作品なのでしょう！

主人公・ガイの毎朝の行動といえば、起きて金魚に挨拶、そしてコーヒーショップに行ってコーヒーを頼む。相棒で親友のバディと、働く銀行への途中の道で合流し、まわりにどんなことが起こっても動じない。銀行には頻繁に強盗が押し入って来るけれど、もう慣れたもんでバディと床に伏せて会話。このルーティンは、彼にとって当たり前の「日常生活」なのだ。

そう、彼はなんとゲームの中のモブキャラ。ゲームに詳しい人なら、その意味をすぐに理解できるでしょう。モブキャラとは、オンラインゲームの脇キャラのこと。だから、パワーアップができるわけでもなく、ゲームが始まれば同じことの繰り返し。横で車が吹っ飛ぼうが、爆弾が落ちてこようが、そして、もちろん銀行強盗に遭ったとしても、彼はただの脇キャラなので、やることは特になし。

そんなある日、ガイはモロトフ・ガールという女性とすれ違い、彼女こそ自分が描いていた理想の女性だと気づく。さぁ、〝2人の運命は!?〟…と言いたいところですが、これはゲームの中のお話。なんで突然、そこで恋をする!?

ディズニーだからこその見どころシーン

そして、ゲームの外の世界では、ガイがプログラミングを全く無視してヒーローになったこのゲーム「フリー・シティ」がメガヒット！　元ネタを横取りされた制作者たちは、自分たちが作ったものであることを証明するため、ゲームの中に入り、その証拠を探す。

つまり、2つのストーリーが同時に進むのですが、全くややこしくありません。ストーリーだけでも十分、楽しいけど、楽しさの中にものすごく大きなメッセージが含まれています。〝人間は何を求めているのか？〟ガイが送っていた平凡な人生を自分と照らし合わせれば、きっと何かを感じるでしょう。

コロナで何度も公開が延期されたけど、今だから心に深く刺さります。ゲームの中の空想の世界でありながら、壮大なラブストーリーで、てんやわんやな展開もあり、友情に涙する。そして一番の見どころは、言いたいけど言えない、ある場面の遊び！　ディズニーだからこそできる豪華な遊びです！　ここだけでも映画の料金を払う価値あり！

この映画を見た日は、私みたいに爽快な気分で行動できること間違いなし！

LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。