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『サメ映画大全』著者:知的風ハット~話題の1冊☆著者インタビュー

『サメ映画大全』
『サメ映画大全』著者:知的風ハット/左右社 

『サメ映画大全』左右社/2200円

知的風ハット(ちてきふうはっと)
1992年生まれ。サメ映画ライター、動画投稿者。2014年から日本国内では動画投稿者として初めてサメ映画を専門にした評論・告知・研究活動を行う。映画評論・情報サイト『BANGer!!!』『月刊少年チャンピオン』で映画コラムを連載。

――そもそもサメ映画に興味を持ったきっかけは、なんだったのですか?

ハット 『ジョーズ』(1975年)です。幼い頃に初めて鑑賞しましたが、あまりにも怖く、そしてそれ以上に面白かったため、以後同じような作品がないか、ジャケットに大きくサメの姿が描かれている映像作品を、おのずと鑑賞するようになりました。でも、大半がつまらない(笑)。

今でこそ『ジョーズ』に匹敵する快作も一定数存在していますが、ごく一部の佳作を除くと、むしろ退屈な作品の方が悪目立ちし、不毛の荒野でしたね。とはいえ時代が進み、ジャンル全体として見た場合にほどほどの良作・佳作の総数が増えつつある現状は、ただただうれしい限りです。

――他にもどんな特徴のサメ映画があるのでしょうか?

ハット とにもかくにも第一に、「獰猛な動物が暴れ回り、人類を襲うさまを描いた」、アニマル・パニック物と呼ばれるサメ映画が、2021年現在、このジャンルのメインストリームとなっています。次いで多いのは『オープン・ウォーター』(03年)や『海底47m』(17年)などに代表される〝海洋スリラー物〟ですね。

“脱法サメ映画”も少なからず存在しています

そのほか、ジャケットではサメ映画を装いながらも、サメは添え物扱いで出番が少ない、いわば〝脱法サメ映画〟も少なからず存在していますね。水陸両用のサメが浜辺を掘り進む『ビーチ・シャーク』(11年)、幽霊化したサメが市街地に現れる『ゴースト・シャーク』(13年)、民家を占拠したサメが便器から飛び出す『ハウスシャーク』(17年)あたりが、変わり種のサメ映画としては広く知られています。

また、「空から降ってくるサメの群れを、主人公がチェーンソーでバッサバッサとなぎ倒す」という〝シャークネードシリーズ〟が日米でカルト的な人気を博しており、全6作品が各方面に多大な影響を与えています。低予算映画ファンの間では、いまだ崇め奉られていますね。

――知的風ハットさんのオススメ映画を教えて下さい。

ハット まず初代『ジョーズ』、『ロスト・バケーション』(16年)の2作品を強く推薦します。ベスト3を選出するならば残りの一枠は少々悩むところですね。遺伝子操作で高い知性を得たサメが暴れる『ディープ・ブルー』(99年)、『シャークネード カテゴリー2』(14年)の、どちらの作品になるでしょうか。

少なくともこの4本さえご鑑賞いただければ、サメ映画が人気になっていることが感覚的にご理解いただけると思います。

(聞き手/程原ケン)

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