今季、8年ぶりに東北楽天ゴールデンイーグルスに復帰した田中将大投手。だが、日本中が注目した凱旋初登板は、3163日ぶりの黒星となってしまった。
「次回? 順調に行けば(4月)24日でしょう。でも、もしかしたら…」
降板後、関係者たちが囁いていた言葉だ。
4月17日、対日本ハム戦に先発登板した田中は、5回4安打3失点。敵の主砲、中田翔に先制弾も浴び、変化球主体で〝誤魔化しながら〟のピッチングだった。
「右ヒラメ筋を故障したのは3月25日。ファームで調整してからと思われましたが、ぶっつけ本番の登板となりました。ヤンキースで先発ローテーションを守ってきた田中の意地、メンツです」(スポーツ紙記者)
「もしかしたら」と、次回登板が危ぶまれる理由も、〝メンツ〟にありそうだ。
「初登板は、投げられる状態ではなかったんです。予定されていた3月27日も『投げる!』と意地を見せていました」(球界関係者)
田中は日本の柔らかいマウンド、日本の公式球にも戸惑い、自身の思うところにボールを投げ込めないでいた。その焦りが故障を招いたようだ。
メジャー“100球メド”の習慣が…
「直球が8年前よりも遅くなった、変化球投手になったと言われ、カチンときたみたい」(同)
また、痛めた箇所が「右ヒラメ筋」というのも、田中の焦りを加速させた。
「野球に限らず、アスリートにとって特に下半身の膝から下の筋肉を痛めるのは、肉体的な衰えを意味するのでヤバいんです」(同)
変化球主体となった初登板時の投球を指して、「悪いなりにまとめていた」と評価する声もあったが、「重心が高い。あの投げ方では再び脚を痛めますよ」と、警告するプロ野球解説者も少なくなかった。
「キャンプイン直前で楽天帰還が決まり、自主トレ期間の練習ができていなかったみたいです。メジャーリーグの先発投手として『100球メド』という習慣も染みついたまま。田中は調整しなければならない課題が多い」(前出・記者)
石井一久GM兼監督も日本復帰の経験者として、調整の難しさは分かっていた。調整法は田中に任せたわけだが、再びふくらはぎを痛めそうな投げ方に、「再調整の名目で中10日も」と懸念する向きも強まっている。
ドライな楽天本社に、石井監督共々、管理責任を問われそうだ。
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