阪神が頭一つ抜け出し、それを巨人が追いかける展開になったセ・リーグ。2連覇中の王者の出遅れは、誰にとっても〝予想外〟だったようだ。
「阪神、広島との3連戦に負け越し、一時は勝率5割を切りました。でもその後、中日、横浜DeNAに連勝し、2位に浮上。運も味方しました」(ベテラン記者)
低迷の要因はいくつかあるが、最も大きかったのは主砲・岡本和真の不振だ。今季1号が出るのに56打席もかかるというのは、計算外だったはず。打率もまだ2割前後だが、それでも原辰徳監督は4番から外すつもりはないという。
「昨季までは調子のいい者を起用する総力戦。今季はレギュラーをある程度、固定していくようです」(同・記者)
開幕ダッシュの失敗よりも、岡本の不振の方が深刻。後々、大きな問題にも発展しそうである。というのも、この不振のせいで「岡本の侍ジャパン落選」との情報も聞かれるようになったのだ。
「金メダル獲得のため、右の大砲は重要なカギとなります。でも、岡本の定位置である三塁には打撃好調の東京ヤクルト・村上宗隆がいるし、右の長距離タイプとして、稲葉篤紀代表監督が熱視線を送る新人も現れたのです」(球界関係者)
五輪代表に不振の選手を入れる余裕はない…
稲葉監督も注目する新人とは、DeNAのドラフト2位ルーキー、牧秀悟だ。開幕戦でいきなり「3番・ファースト」でデビューを果たし、N・ソト、T・オースティンの両外国人の合流後もスタメン起用され続けている。右方向にも飛ばせる長打力に稲葉監督が一目惚れし、「全視察終了後、DeNAに連絡する」と囁かれているのだ。
「五輪の代表メンバーは24人。半分は投手を選ぶ予定で、期待値で不振の選手を入れる余裕はありません」(同・関係者)
そのため、盟主・巨人の4番が選ばれないとなれば、大きな衝撃となりそうだ。
「坂本勇人は侍ジャパンでもリーダー的存在なので、ほぼ当確です。選手選考は稲葉監督次第。体調不良の名目で過去の大会に非協力的だった選手は、よくは思われていません」(同)
岡本にはベストナインなどのタイトルを獲得させるため、昨季から守備位置も三塁に固定してきた。「大きく育てる。向こう10年、4番を張る金看板に」の思いがあったからだ。
五輪イヤーの今年、不振に陥ったのは巡り合わせだが、今後のキャリアにも影響してきそうだ。
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