原・巨人がスタートダッシュに失敗した。原因を深掘りすると、元エースの帰還交渉のしくじりと「ドラ1問題」が浮かび上がる。
「菅野智之が足の違和感で出場選手登録を抹消された他、FA加入した井納翔一も初登板のマウンドで打ち込まれて即刻二軍落ち。さらに打線も坂本勇人、岡本和真の調子が上がってきません。打撃好調だったウィーラーの他、丸佳浩、中島宏之らにコロナ感染が判明し、しばらくは『我慢』のときという雰囲気です」(ベテラン記者)
タイミングも悪かった。4月6日から好調の阪神、広島との連戦を迎えたが、続けて負け越し、首位チームを追いかける苦しい展開は避けられなくなってしまった。
「先発投手たちの状態がイマイチで、オープン戦終盤までローテーションが決まらず、緊急補強も囁かれていました」(同・記者)
真っ先に浮かぶのが、一昨年の最多勝投手・山口俊だ。今年2月にブルージェイズを自由契約となった山口は、サンフランシスコ・ジャイアンツのスプリングキャンプに招待選手として参加したが、メジャー契約は勝ち取れず、現在はマイナーで奮闘中。この流れは巨人だけではなく、NPBの多くの球団、関係者が読んでいた。
全く活躍できない巨人のドラフト1位選手たち…
「このままでは日本に戻れないという山口の気持ちに配慮したのでしょう。山口のキャリアを考えたら、日本に戻って先発ローテで活躍した方がいい。それを説得できなかったのは、山口本人、球団双方にマイナスです」(球界関係者)
巨人低迷の理由は、それだけではない。「ドラフト1位投手」たちが今年も機能していないのだ。
「学生時代に手術歴こそあれ、1位の平内龍太投手は即戦力と見られていました。でも、直球と変化球で投げ方に違いがあるらしくてまだ一軍では使えず、19年1位の堀田賢慎は入団してすぐに手術して、実戦復帰に向けて調整中です。18年1位の高橋優貴がようやく一軍に定着しましたが、17年1位の鍬原拓也は育成契約に落ちています。即戦力を欲した結果がこれでは、看過できません」(同・関係者)
安定しつつある高橋も、3年を要した。原辰徳監督は3年契約の最終年。通算1000勝超えの名将を日本シリーズで2年連続4連敗させたまま退任させるわけにはいかない。まして、今季リーグ優勝を逃すなんてことになれば…。
ドラフト、渉外部門に大ナタが振るわれることになりそうだ。
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