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巨人開幕ダッシュ失敗…メジャー山口俊“逆輸入”緊急秘策!

東京ドーム
東京ドーム (C)週刊実話Web

独走が予想された巨人に、エース菅野智之の戦列離脱とチームのコロナ禍で暗雲が立ち込めている。そこで原辰徳監督がかじを切ったのが、2019年シーズンに15勝し、メジャーリーグに送り出した山口俊投手の〝逆輸入〟だというのだ。

4月6日から始まった今季初の〝伝統の一戦〟阪神戦との3連戦で1勝2敗と負け越しを喫した巨人。これで開幕から横浜DeNA、中日、ヤクルト、そして阪神を相手に5勝4敗3分けとなった。いまひとつ波に乗れない原因は、昨季開幕から13連勝したエース・菅野智之の戦列離脱にある。

「菅野は3月26日の開幕戦後、脚部の違和感のため30日から出場選手登録を抹消されました。大事を取ってローテーションを1回飛ばしましたが、一昨年に故障した腰の古傷や蓄積疲労もあり、計算が立たない可能性が出てきたのです」(巨人担当記者)

もっとも、原辰徳監督は昨シーズン、14勝2敗と大活躍した反動と、ポスティングシステム(PS)でのメジャー挑戦が不発に終わったエースの〝燃え尽き症候群〟を懸念し、対策を施していた。オフにFAで横浜DeNAから井納翔一投手を獲得し、さらに心のケアをさせるために桑田真澄氏を投手チーフコーチ補佐で招聘したのがそれだ。

しかし、期待の井納が3月31日の中日戦で2回途中4失点とKOされ、即二軍降格。4月3日のヤクルト戦では、開幕前に廣岡大志内野手とのトレードで放出した左腕の田口麗斗投手に7回まで0封され、同日の阪神対ヤクルト戦では、巨人から金銭トレードで移籍した阪神の山本泰寛内野手がサヨナラ二塁打を放つなど、やることがことごとく裏目に出ている。

タダ同然で獲得可能!?

「立て直しには外科的手術が必要」――。巨人首脳が戦力補強を検討する中、MLBから飛び込んできたのが、「一昨年の巨人時代に最多勝(15勝)、最高勝率(7割8分9厘)、最多奪三振(188)の3タイトルを獲得した山口俊投手が宙に浮いている」という情報だ。しかも、当時の2億4000万円年俸の半額どころか、タダ同然で獲得可能だとあって、速攻で調査に乗り出したという。

「2019年オフにトロント・ブルージェイズへ移籍した山口は、菅野および原監督と縁浅からぬ関係にある。それまで『メジャー移籍は海外FA獲得選手だけ』としてきた球団が方針を転換し、PSを容認したのは、論功行賞もあるが、翌年オフにPS移籍を目指す菅野への環境づくり、布石という意味合いが大きかった。つまり、日本ハムの1位指名を蹴り、1年浪人してまで巨人に入団した菅野の労苦に報いるため。原監督は山口に、『チャレンジしてこい。背番号11は空けておく』と激励していたというが、いま考えると、こんな事態も想定していたのかもしれない」(スポーツ紙デスク)

その山口は2年総額6億6000万円でブルージェイズに移籍したものの、メジャー1年目はコロナ禍の日程縮小に加えて若手投手の台頭もあって、敗戦処理の場面での起用ばかり。終わってみれば、17試合に登板して、2勝4敗、防御率8・06。そして迎えた2シーズン目の今年2月、キャンプインを前に自由契約となった。

その後、サンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結び、招待選手としてキャンプに参加して26人の開幕ロースター入りを目指したが、願い叶わず、3月29日にマイナー行きを通告された。当面はジャイアンツの3Aでメジャー昇格を目指すというが、悲観的な見方が強い。たとえ、ジャイアンツが支配下権を放棄してウエーバー公示を行っても、メジャーの出場選手登録(26人)が条件のため、高齢で高年俸の山口獲得に手を上げる球団はまずないからだ。

両球団の思惑がすべて合致

「山口の場合、今季の年俸(3億3000万円)はブルージェイズに保証されており、生活面で不自由はありません。しかし、このままくすぶっていたら、来季以降の収入が途絶えてしまう。チャレンジしてこいと送り出した手前、原監督は助け舟を用意しようと…。それが菅野の故障と重なり、一気に加速したのです。巨人に戻れば、あと数年は現役でいられる上に、指導者の道まで開けます。日米球界の紳士協定上、公に獲得には乗り出せないが、ジャイアンツから事実上のトレードという形で決着するのではないでしょうか」(巨人OBの野球解説者)

鍵を握るのが、菅野の存在だ。今オフ、菅野はPSではなく海外FAでメジャーに挑戦できる。

今年の元日に渡米した際、複数の球団と交渉する中で狙いを定めたのが、西海岸で人気も高いジャイアンツ。そう、現在の山口の現所属先だ。

ジャイアンツは山口を巨人に帰還させることで関係を深め、今オフに菅野を譲り受けようという構図。両球団、そして山口、菅野の思惑がすべて合致するのだ。

そこに新型コロナウイルスの追い討ち――。4月3日のヤクルト戦前に一軍選手、監督、コーチ、スタッフ101人に実施した民間のPCR検査で丸佳浩外野手、中島宏之内野手の陽性が判明。その後、若林晃弘内野手とZ・ウィーラー内野手の陽性も明らかになったほか、濃厚接触者と判定された亀井善行外野手、増田大輝、北村拓己両内野手も出場選手登録を抹消され、急ぎ秋広優人、香月一也両内野手、立岡宗一郎外野手を一軍に昇格させるなど、ベンチ裏はすったもんだ状態。

戦列を離れていた菅野がコロナ禍を避けられたのと、他球団に比べて選手層がぶ厚いのは救いだが、長期の戦力ダウンは避けられない。今後、巻き返すには、とびっきりの起爆剤が必要。〝出戻り〟山口への期待は高まるばかりだ。

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