12月8日、今期限りでソフトバンクを退団した内川聖一の東京ヤクルトスワローズ入りが決定した。4日には、同じく不惑を目前にしたベテランの青木宣親と新たに3年契約を結んだと発表していたが、これは総額10億円強(推定、以下同)の大型契約で、このベテランと複数年契約を結んだ背景に球界内外がザワついていた。
「当然といえば当然です。働き場所を失い、再起を目指す同い年の内川まで獲得しようとしていたのですから、ドライな査定は見せられませんよ」(球界関係者)
2年連続でリーグ最下位に沈んだヤクルト。投打ともに戦力不足で、国内FAによる移籍が確実視されていた山田哲人の慰留説得にも必死だった(7年総額40億円で契約)。これに青木と〝大出費〟が続いているが、そんなヤクルトの内川獲得。他11球団は「ちょっと、おかしい」と首を傾げている。
「山田の残留、青木の契約もそうですが、内川との交渉内容が球団外から聞こえていたのです」(同・関係者)
ビジネスの常識として、たとえ成立した話であっても、事前に情報が漏れてしまった場合はご破算になることがある。球界でもトレード、FA交渉などは特にそうで、当該選手に対する評価が漏れたとなれば、チームの展望や戦略、経営状況がバレたことになる。
内川からサーっと手を引いた巨人、阪神、DeNA…
「内川を一塁で起用して村上宗隆を三塁で固定するとか、一塁を兼務した坂口智隆を外野に戻すなど、具体的な話も流れています。小川淳司GMが『内川を獲りたい』と言ったのは本当ですが、交渉解禁前に確度の高い情報が出るのはおかしい」(ベテラン記者)
巨人、阪神、DeNAは、内川からサーっと手を引いた。大物選手の去就について、「ウラで話がまとまる」なんてことは過去にもあったようだが、内川のようなケースは珍しい。
「ヤクルトと内川の間を行き来している人がいるんじゃないか?」(同・記者)
その関連だろう、エースの小川泰弘が5日、FA宣言してしまった。「誠意は伝わった。お金じゃない」と、意味深な言葉を残して…。
「残ってくれとの気持ちが、山田よりも弱かった。小川はノーヒットノーランも達成したのに、最下位という矛盾に打ちのめされたようです。山田、青木に高額年俸を提示できたように、コロナ禍による損失はあっても球団経営は順調なんですが」(球界関係者)
ヤクルトへ大掛かりなトレードを仕掛けてくる気配はない。内川獲得の情報漏洩で、他球団が警戒しているからかもしれない。
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