注目のナンバーワンスラッガー・佐藤輝明(近畿大)は、4球団競合の末、矢野・阪神が交渉権を引き当てた。今季はすでに〝終戦〟状態。暗い話題だらけのチームにとって数少ない明るい話題だが、ここへ来て新たな火種に発展しそうだ――。
「いつものパターンですよ。シーズンの敗因、外国人選手の不振など、反省しなければならない点を、好選手を補強してすべて『期待論』にすり替えるという…。福留孝介、能見篤史、上本博紀らのベテランをバッサリ切り捨てたことによる不協和音も、なかったことにされそうです」(在阪記者)
しかし、近年、外国人選手に泣かされてきた阪神は、佐藤が期待通りに育てば、「助っ人頼み」の状況を改善できる。そんな佐藤の守るポジションだが、矢野燿大監督がドラフト会議で語ったのは、「外野」ではなく「サード」だという。
「看板選手に育てたいとの願いから、『外野よりも内野』の声がチーム内外から出ているのです」(同・記者)
この話に重なってくるのが、いわゆる〝虎の持病〟。大量失策は相変わらずで、今季も10月31日時点で80失策。12球団トップを爆走中だ。
大山&佐藤が左右の大砲に育てば最高の形
「毎年、秋季キャンプの課題に挙げられるのですが、ここまでエラーが多いと、もう治らないと見るべきです。内野手を総入れ換えするつもりでやらないと…」(球界関係者)
佐藤はこれまで、主に三塁を守ってきた。駿足のため、外野守備も無難にこなせるが、より目立つのは〝ホットコーナー〟だ。
「一塁は『外国人選手のために空けておきたい』というのが首脳陣の考えです」(前出の在阪記者)
そうなると、やはり三塁しか空いていない。しかし、そこには今季、タイトル争いに絡む活躍を見せる大山悠輔がいる…。
10月21日のことだ。大山は「4番・ライト」でスタメン出場しており、開幕前の練習試合でも試験的に外野を守っていた。外国人選手との兼ね合いでテストされてきたのだが、佐藤の加入で本格化しそうだ。
「佐藤は右投左打。〝ミスタータイガース〟こと掛布雅之氏と同じです。大きく育てる意味でも、三塁は大山より佐藤の声の方が多い」(前出の在阪記者)
大山、佐藤が左右の大砲に育てば、最高の形となる。大山が素直に受け入れるかどうかはともかく、阪神は「佐藤中心」に舵を切る。
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