緊急事態宣言下で開催された東京五輪で、日本は過去最多となる27個の金メダルを獲得したが、中でも13歳の金メダリスト、西矢椛選手の活躍で一躍注目されたのが、新種目のスケートボード(以下、スケボー)ではなかろうか。
3S(スケボー、サーフィン、スノーボード)と呼ばれるアクションスポーツ界も、近年は大きなムーブメントがなく、関連用品の売り上げは低迷していた。しかし、五輪の影響でスケボーブームが起これば、業界にとっても〝救世主〟になるはずだ。
しかし、その破天荒なスタイルに拒絶反応を示す層がいることも事実で、
《若者たちが実際の公園でスケボーを始めたら、手すりはあっという間に傷む。その修復に税金が使われるなんてバカバカしい》
《スケボーは騒音がひどい。もともとアメリカの広い道路で、アウトローたちが始めたスポーツだから、狭い日本でやられたら、たまったもんじゃない》
など、ネット上には批判的な声が溢れている。
称賛されること自体が文化にそぐわない
「スケボー初心者が所構わず増殖すると、全国的にトラブルが増加することは目に見えている。しかし、スケボーを利用できる施設もまだ多くはありません。今回の金メダル獲得を機に専用施設が増えてくれれば、すべてが解決すると思うのですが…」(ストリートスポーツに詳しい記者)
実はスケボー関係者の間でも、いまだ五輪種目になることに意見が分かれているという。
「もともとスケボーは落ちこぼれから始まったものだから、五輪の権威に利用され、メダリストが称賛されること自体が文化にそぐわない」(スケボー界の重鎮)
なんとも未知の領域に入ったスケボー業界だが、ほとんどの関係者は、今後の五輪において競技の活性化を願ってやまないだろう。
日本のお家芸として、多くの人々に認められるスポーツにしたいのであれば、一時的なブームに鼻の下をのばすだけでなく、まず練習を含めた環境づくりを心掛けていただきたい。
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