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阪神タイガース大失速!“13ゲーム差大逆転された”2008年の悲劇とは

阪神タイガース大失速!“13ゲーム差大逆転された”2008年の悲劇とは
阪神タイガース大失速!“13ゲーム差大逆転された”2008年の悲劇とは(C)週刊実話Web

「トラの黒歴史」は繰り返す――。

4月4日にセ・リーグの単独首位に立って以降、勝率7割越え(5月7日現在)でその座をキープし続けてきた絶好調の阪神タイガースに〝黒い影〟が差し込みだした。それは、2位の巨人がゲーム差を縮めてきたからではない。ベンチの雰囲気、試合展開のリズムが狂い始め、好スタートを切ったものの、その後は失速…。チームを立て直さなければ、2008年の悲劇は繰り返されてしまうかもしれない。

「08年は、2位巨人と最大13ゲーム差まで広げながら、終盤で逆転優勝を許してしまいました。一部新聞社は優勝を見越して『特集号』まで販売してしまい、阪神のお膝元の大阪は笑いたくても笑えない状況でした。岡田彰布監督(当時)も責任を取ってユニホームを脱ぎました」(在阪記者)

大失速した原因は、いくつかある。1つ挙げるとすれば、北京オリンピックの野球競技だろう。

阪神は主軸の新井貴浩、正捕手の矢野輝弘(当時/現監督)、クローザーの藤川球児を代表チームに派遣。攻守ともに大きな打撃を受けたのだ。

「代表監督が星野仙一氏では、断れるはずがありませんでした」(当時を知る関係者)

今年、東京五輪がこのまま開催されることになれば、首位の阪神からも複数の主力選手が選出されることは必至だ。その間、ペナントレースは中断されることになっているが、セ・リーグは無観客試合を減らすため、東京、大阪の両エリアで行われる公式戦の一部を延期することに決めた。

「ペナントレースがタイトなスケジュールになりそうです。特に、阪神は屋外の甲子園球場が本拠地であり、夏の甲子園大会との兼ね合いも念頭に入れなければなりません。ここに雨天中止による日程変更が重なれば…」(前出・在阪記者)

藤浪晋太郎“ノーコン病”再発…

日程問題も心配だが、矢野監督も頭を悩ませる事件も発生した。開幕投手の藤浪晋太郎が〝病気〟を再発させてしまったのだ。ゴールデンウイーク前は、二軍で長い投球間隔にはまっていた。

「藤浪の考え出すと長い悪癖は昔からです」(同)

ノーコン病を再発させたのは、4月23日の対DeNA戦だった。この日の藤浪は7四死球と自滅し、矢野監督はたまらずベンチを飛び出し交代を告げた。5回途中4失点、暴投2つという結果で、翌24日には一軍登録も抹消された。

「キャンプから取り組んでいたワインドアップ投法をやめて、セットポジションで投げてみたりしたものの、ボールがスッポ抜けていました。藤浪は『タイミングがおかしくなった』と話していましたが。ファームではいろいろとテストしてみるそうです」(同)

調整、練習メニューは藤浪に一任するという。プロ9年目の大人として信頼しているからなのか。それとも、阪神にはピンポイントでアドバイスできる指導者がいないのか。

また、黒歴史の当事者でもある岡田元監督が、関西系メディアで意味深な発言をしていた。好スタートを切ったことについて〝悲観的な見方〟もしていたのだ。

「投打ともに、選手全員の調子のいいことが開幕ダッシュの勝因だと語っていました。でも、裏を返せば、同時期に主力選手が不振に陥る可能性がある、ヤバいと…」(同)

ペナントレースは長期戦。好不調の波は避けられない。「不調時をいかに短くするか」をポイントに挙げていたが、無理をしている選手もいないわけではない。

「正捕手の梅野隆太郎は、右手親指にボールが当たったのに休もうとはしません。矢野監督は無理強いをさせるタイプではありませんが、『スタメン捕手=梅野』のイメージもチーム全体に定着しているので、大事に至った場合、ちょっと心配ですね」(球界関係者)

外国人選手に関する阪神の“不文律”

好スタートを切ったチームの雰囲気も変わりつつある。来日の遅れていたメル・ロハス・ジュニア外野手と、ラウル・アルカンタラ投手が合流した。プラスに転じる要素もあるが、打率はまだ低いものの、特大の本塁打で球場の雰囲気も明るくし、チームをここまでけん引してきた佐藤輝明選手らの影が薄くなるのは避けられないだろう。

「レフトには打撃好調のサンズがいて、センターにはリードオフマンの近本光司がいます。ロハスは佐藤と入れ代わりでスタメン出場するとの情報も交錯しています。外国人選手の一軍登録枠の件では、ここまで奮闘してきたマルテが落ちる、と」(ベテラン記者)

佐藤、マルテのモチベーションも懸念される。

「ロハスには、OBも注目しています。彼らはメジャーリーグの解説もしており、『スイッチヒッターの長距離砲は手放さない。どこか、弱点があるのではないか』と変に心配していました」(同)

しかし、阪神には外国人選手に関する〝不文律〟もあるそうだ。それが、「年俸の高い順に一軍で使っていく」というもので、これに従えば推定年俸2億6000万円でトップのロハスとクローザーのスアレス、同2億1000万円のアルカンタラは絶対に使うということになる。もっといえば、二軍で全然調子の上がってこないチェン・ウェインを一軍に合流させたのも〝不文律〟によるものだという。

「日本の野球スタイルに慣れるまでの間、外国人選手は我慢しながらの起用となるでしょう」(在阪記者)

「1敗くらいたいしたことないさ」と言っているうちに、巨人、広島、東京ヤクルトが肉薄してきそうだ。外国人選手の起用がマイナスに転じかねない。

「同時期に不振になる論」も気になる。「08年の再現」は避けられないのか?

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