大相撲界を揺るがした弟子の凄惨な暴行に端を発した宮城野部屋騒動は、3月28日の理事会で部屋の閉鎖、師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)をはじめ、所属する力士たち全員が伊勢ヶ浜一門に吸収合併されることで決着した。
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このことについて、協会幹部は「これがベストの決定だ」と語るが、伊勢ヶ浜部屋には春場所に110年ぶりの新入幕優勝を果たした尊富士をはじめ、横綱照ノ富士など、6人もの関取がいて、鉄の結束力を誇っている。
「春場所14日目、尊富士は右足首を負傷し、休場必至だった。しかし照ノ富士の『お前ならやれる、記録はいいから記憶にこだわれ』という言葉で出場に踏み切り、優勝した。このことからも分かるように、力士同士仲がいい。高校の先輩でもある照ノ富士を慕って入門したという尊富士は、生まれ変わってもまたこの部屋に入門すると言っています」(相撲担当記者)
そんな中、スネに傷を持つ宮城野勢が飛び込んで、果たしてうまく融合できるのか。ましてや部屋頭の照ノ富士と宮城野親方には、これまでさまざまないきさつがあり、犬猿の仲だ。
宮城野親方は照ノ富士に頭を下げられるか?
「照ノ富士にしてみれば、積年の恨みを晴らす大チャンス。『さあ、来やがれ』と手ぐすね引いて待っていることでしょう。宮城野親方が『横綱の先輩だ』とこれまでのようなプライドを振りかざせば、ぶつかるのは必至。よほど下手に出て、『よろしくお願いします』という態度を取らない限り、宮城野勢は伊勢ヶ浜勢に弾き飛ばされる。師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)もケジメはきっちりした人だから、その点が大きなポイントとなるはずです」(同・記者)
ちなみに、2010年に木瀬部屋が暴力団絡みの事件で北の湖部屋預かりとなったときには、部屋の再興までに2年かかっている。
それを考えれば、今回も同等の長期化が予想されるが、宮城野親方がじっと我慢していられるかが、カギを握っている。
4月3日に宮城野親方は伊勢ケ浜部屋を訪れ、伊勢ケ浜親方と2時間の話し合い。転籍する約20人の力士らは7日に引っ越しすることが決まったようだ。
堪忍袋の緒が切れたら、相撲界から追放決定。果たして宮城野親方は照ノ富士に頭を下げて、ひざまずけるだろうか。
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