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朝起きた時や動き始めが痛い理由~『痛みの悩み相談室』(監修/井尻慎一郎先生)

朝起きた時や動き始めが痛い理由
朝起きた時や動き始めが痛い理由(画像)tommaso79 / Shutterstock

関節や筋肉は、動かして使う運動器と呼ばれる組織です。そのため、しばらくじっとしていると、関節や筋肉の動かし始めにギシッと痛みを生じやすくなります。腰や膝が朝起きがけに痛いのも、車やバス、電車などに長時間座り、降りる時に痛いのも、このためです。

そのため、朝目覚めたら布団の中で背伸びや腰を軽く捻って少しでも体を動かしてから起き上がるクセをつけましょう。狭いスペースに長時間座っている時も、関節や筋肉をほんのわずかでも動かすようにします。これは、寒い冬の朝に自動車を動かす時の状況と似ています。冷えているエンジンにいきなりアクセルをふかすと、滑らかには回らずエンジンを傷める危険性もあります。そのため暖機運転、アイドリングが必要になります。暖まればアクセルをぶんぶんふかせます。

デスクワークなら時々立ってストレッチを

寝ている時にも脳が一定の時間間隔で活動し、寝返りを打つことにより体をほぐしています。ただ、年齢とともに脳の活動性が低下して寝返りを打つことが少なくなり、朝起きがけに腰痛や膝痛を来すことがあります。夜、尿意を感じてトイレに行く時に痛むのも同じです。

現在は、デスクワークや車・電車に乗るなど、じっとしている機会が増えています。デスクワークなら、時々、席を立って軽いストレッチ体操をしましょう。車の運転中に体操をすると危険なので、長い信号待ちの時などに、少しでも腰を前後左右に動かすように工夫してください。

監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp

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