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『キャンディ・キャンディ』 泥沼の法廷闘争…哀しき“封印漫画”の世界

『キャンディ・キャンディ』1975-1979 原作・水木杏子 作画・いがらしゆみこ/講談社

ある程度の年齢の女性であれば誰でも、ストーリーを鮮明に覚えているという正真正銘の国民的少女漫画。知名度は日本国内どころか全世界に轟いており、その早過ぎたメディアミックスと世界進出の結果、漫画界の慣例とも言える権利関係のドンブリ具合が災いして封印されてしまった。

少女漫画雑誌『なかよし』の連載から約1年後にアニメ化されて人気に火がついた同作。男子向けのアニメはすでに山ほどキャラクターが登場していたが、女子向けアニメには求心力のあるキャラクターがおらず、ここに登場したメルヘン少女・キャンディは、ありとあらゆるものに商品展開され、最盛期にはキャラクター人形が1年間で200万個(約80億円)を売り上げたといわれる。

国民的マンガが法廷に持ち込まれ…

1995年にアニメ化が再び計画された際、原作者と漫画家の確執が明らかになった。リメークの予定が続編となったことに原作者の水木氏が不満を示し、話は立ち消えに。

さらに今度は『キャンディ』の営利目的の二次使用や商品化などについて、水木氏と作画のいがらし氏が対立、争いは法廷へ持ち込まれ、原作者の同意がなければ営利目的の使用は認められないという判決が確定した。

最高裁判決により権利関係は明白になったが、水木氏といがらし氏の関係は修復不可能になってしまった。

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