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胸がチクチク痛む肋間神経痛~『痛みの悩み相談室』(監修/井尻慎一郎先生)

胸や背中に強い痛みが続く時には、心筋梗塞や大動脈瘤解離などの重篤な病気の可能性
胸や背中に強い痛みが続く時には、心筋梗塞や大動脈瘤解離などの重篤な病気の可能性(画像)DG PhotoStock / Shutterstock

胸が痛む時は注意が必要です。胸や背中に強い痛みが続く時には、心筋梗塞や大動脈瘤解離などの重篤な病気の可能性があるので、循環器内科を受診します。痛みが尋常でない時は緊急手術が必要になることもありえるので、大きな病院をなるべく急いで受診します。内科で心臓や肺や食道に異常がないと言われた時は、肋間神経痛の可能性があるので、整形外科を受診します。

首からは手に行く神経、腰からは脚に行く坐骨神経がそれぞれ枝分かれして痛みが出ますが、背中の胸椎からは背中から胸の前に向かう肋間神経に出ます。肋間神経は肋骨に沿って背中から胸の前方に少しずつ下がりながら分布しています。この肋間神経が何らかの原因、あるいは原因がなくてもチクチク痛むのが肋間神経痛です。

整形外科医で見逃されることもしばしば…

肋骨に沿って片側あるいは両側に痛む場合や、片側の1点だけチクチク痛むこともあります。胸が締めつけられるような症状もよく起こります。筋肉や関節や骨が原因の時は体を動かしたり、ひねると痛みが生じますが、肋間神経痛は動かす時よりもじっとしている時にピリピリ、しんしん痛む傾向があります。

肋間神経痛は案外多いのですが、整形外科医でもあまり気がつかずに見逃されることもしばしばです。原因不明と言われた胸の痛みに神経を元気にするビタミンB12と神経痛治療薬のリリカやタリージェを飲んでもらうと、痛みが軽減することを過去にたくさん経験してきました。

監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp

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