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JRA重賞『阪神ジュベナイルフィリーズ』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

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先週のチャンピオンズCは予告通り〝荒れた〟。懸念材料を数々挙げて〝危ない人気馬〟としたクリソベリルは馬券圏内にも入らず、昨年のこのレースの4、2、3着の馬たちで決まった。「リピート馬が多いレースだけに、昨年の2、3着馬。加えてJBCクラシック3着馬…」と書きながら、カフェファラオ(6着)を軸に頼り過ぎてしまい、思いきり縦目を食らった。まあ「少額投資、まずは様子見」としたのはオリコウサンだったが、「予想上手の馬券下手」って呼んで下さい。今週は名誉挽回を! もう12月のGⅠは荒れ続ける!?  とこの際、断言したいほど。

1番人気は白馬でアイドルホース候補のソダシだろう。サンスクリット語で〝純粋〟という意味だそうだが、どうもピンと来ない。〝ソダネ〟とは頷けない。無理に漢字でアテれば〝粗出汁〟とも読めて、何かダサい(単なるイチャモンです)。ヨカヨカ、リンゴアメという珍名さんも出るけどね。同じく3連勝無敗で武豊騎乗のメイケイエールがそれに続いているが、千四までの馬かも知れないし…。ソダシより〝消える〟可能性が高い。実はジャパンカップで無敗3冠馬コントレイル、デアリングタクトが惜敗し、チャンピオンズCでは、国内無敗馬クリソベリルが、中央無敗馬のカフェファラオが、脆くも崩れ去った。これは、もはや〝無敗馬受難〟のゾーンに入ったと思いたい。

そこで狙いはまず、今回唯一出走のディープインパクト産駒でルメール騎乗のサトノレイナスか。こちらも負けナシ2連勝だが〝無敗馬〟の尊称は少なくとも3連勝以上でしょう。もう1頭はインフィナイト。こちらは複数いるモーリス産駒の最有力馬だ。ここで恒例の映画馬名馬についてだが、出走馬にそのものズバリはいない。だが、父親には映画題名そのまんまが3頭いる。お分かりの方はかなりの映画ファンかもよ。

薄目に薄目に…欲望丸出しで大荒れを祈ろう!

まず言わず知れた『ディープインパクト』。98年作の巨大すい星激突スペクタクルにちなんで付けられたようだが、05年の皐月賞は1着ディープ、2着シックスセンスの正真正銘の〝映画馬券〟となり、馬連5830円、3連単70780円の大荒れ。ボクも含め映画業界の馬好きがかなり恩恵を預かり「業界の人間は取らなきゃいけない馬券だよ」とバチあたりなことをホザいて痛飲していたっけ。今や映画よりもこの〝レジェンド・ホース〟の方が有名なほど。ボクも〝ディープインパクト〟は映画よりもこの名馬に断然愛着があるね(映画評論家にあるまじき発言? 構うもんか。肝心の映画は大味だったしね)。

続いてはモーリスで、そのものズバリの『モーリス』(87年)がある。プラトニック中心のホモセクシャル映画で、ジェームズ・アイボリー監督の秀作とされている。もう1本がソダシの父親クロフネである。『黒船』(58年)はいわゆるペリー提督&唐人お吉の話だが、ペリーをジョン・ウェインが演じた珍品で、トンデモ日本描写が見もの? この3頭の1、2、3着で決まれば(他のモーリス産駒が入っても成立だが)めでたく〝映画馬名父親3連複馬券〟になるが、本音はもっと荒れてほしい。

そこで、⑦サトノレイナス、⑯インフィナイトの2頭軸で、馬連はこの2頭厚目、3連複は2頭縛り。⑥ソダシ、⑱メイケイエールも一応押さえるが、⑮エイシンヒテン、⑫オパールムーン、⑭ポールネイロン、⑪ユーバーレーベン、⑧ヨカヨカ、③ジェラルディーナへ。薄目に薄目に、荒れるぞ荒れるぞ、と欲望丸出しで祈ろう!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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