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『痛みの悩み相談室』~五十肩に効く体操(監修/井尻慎一郎先生)

五十肩は肩関節の運動痛と動きが悪くなる状態で、正式には「肩関節周囲炎」といいます。50代を中心とする40〜60代に多いので「五十肩」と呼ばれますが、それ以外の年齢でも起こります。五十肩は動かしてよいのか、動かさない方がよいのか、自分では判断がつかないと思います。しかし、そのままにしておくと肩関節周囲の筋肉や腱、靭帯が縮んで、動く範囲がどんどん少なくなります。そのため、痛くても体操で動かしたほうがよいのです。

痛い方の肩を痛い方向にゆっくり動かします。痛くない方の手で介助するのも効果的です。ちょっと頑張って、少し痛みを感じるぐらいまで動かします。いきなり無理は禁物ですが、少しずつ頑張ります。この動きを数回、1日に何回か行います。痛みのない「もとの体に戻す」というイメージが大切です。

手を背中に回すのが厳しくなった時は、タオルで背中を洗う要領で、痛くない方の手で痛い方の手を少しずつ背中で引き上げます。壁の横に立って壁に指を這わせながら徐々に肩を上げていくのも効果的です。前方に上げるのが痛ければ壁に向かって、横に上げるのが痛ければ壁の横に立って横の壁に指を這わせて上げていきます。自分の限界を少し超えるぐらいまで頑張って上げましょう。五十肩は、悪化すると「凍結肩」と呼ばれるほどガチガチに動かなくなる場合があります。痛い方向に少しずつ動かしていくのがコツです。

監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp

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