エンタメ

「関節痛・筋肉痛」と「神経痛」の痛みの見分け方〜『痛みの悩み相談室』(監修/井尻慎一郎先生)

聴診器
『痛みの悩み相談室』 (C)週刊実話Web

首や腰や手足に痛みがあるときに、原因は関節? 筋肉? それとも神経? と疑問を持つことがあると思います。

これは整形外科医が患者さんを診察し、正しい診断を付けるためにも必要な大切なことです。

「関節」や「筋肉」は、動かして使うものです。この関節や筋肉に問題があれば、まず動かし始めや動かしているときに痛みを生じます。痛みの原因はさまざまで、高度の炎症やケガが原因ならば安静にしていても痛むことがありますが、高度でなければ安静時には痛みが減り、動かすと痛みが増えます。

これに対し「神経」は、動かして使うものではありません。

じっとしていても痛みを感じるのは…

神経は脳からの命令を筋肉に伝えて動かし、逆に痛みなどを脳に伝える電線のような役目を担っています。神経に問題がある場合は、じっとしていても痛みやしびれを感じます。もちろん動かせばもっと痛みも強くなりますが、じっとしていても痛みやしびれを感じるのが特徴です。ただし腰の脊柱管狭窄症のように、歩くことで腰椎の中にある神経の血管が圧迫されて痛みやしびれが生じる場合もあります。

原則としては「関節・筋肉は動かし始め、動くときに痛む」、「神経はじっとしているときに痛む」と覚えてください。なお、がんや内臓疾患は、じっとしているときに痛みを感じるのが特徴です。就寝時にじっとしていても、しんしん、しくしくと、例えば腰痛をきたす場合は、がんや内臓疾患の疑いがあります。

監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp

あわせて読みたい