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炭鉱火災が60年近く続くゴーストタウン「セントラリア(アメリカ)」【侵入禁止のタブー区域④】

※イメージ (画像) FOTOGRIN / shutterstock

いまや金さえあれば宇宙にも行ける時代だが、世界には国家や政府、巨大企業によって隠蔽され、厳重に管理された一般人が立ち入ることのできない「侵入禁止のタブー区域」が存在する。こうした場所こそ、探検され尽くした地球に残る〝現代の秘境〟である。ただし、近づく者に命の保証はない…

前項同様、こちらも半世紀以上、火災が鎮火できないタブー区域だ。

米ペンシルベニア州のセントラリア。かつて石炭鉱業で栄えたこの街は、1962年に起きた地下の石炭火災が原因で廃墟と化した。

火災の原因は明らかになっていないが、集積所のごみを焼却した火が地下の鉱脈に燃え移ったとされる説が有力だ。

ホラー映画『サイレントヒル』のモデル

地下で火災が広がった結果、地面が70℃から80℃の熱を帯び、地下水は水蒸気となって地表に噴出し、有害な一酸化炭素も発生。地下水の蒸発によって、地面の陥没を引き起こすという危険もあり、1982年には住宅の裏庭で陥没事故が起こっている。

坑内火災の消火には莫大な費用が必要で、技術面での課題も多いことから、連邦政府は消火活動を断念。セントラリアの住民には立ち退き料が支払われ、新たに住むことができない「居住制限地域」となった。

2002年には郵便番号も廃止。ゴーストタウンとなったこの街は、ホラー映画『サイレントヒル』(2006年公開)のモデルとしても知られる。

侵入禁止のタブー区域⑤に続く

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