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『台風の大研究 最強の大気現象のひみつをさぐろう』(PHP研究所/3520円)〜本好きのリビドー/昇天の1冊

『台風の大研究 最強の大気現象のひみつをさぐろう』(PHP研究所/3520円)〜本好きのリビドー/昇天の1冊 
『台風の大研究 最強の大気現象のひみつをさぐろう』(PHP研究所/3520円)

台風の季節がやって来た。毎年のように襲来しては甚大な被害を及ぼすのに、天気予報で進路予測を察知するくらいしかできないのが、台風でもある。

いったい台風とは何なのか? 基本的な知識から気象情報の読み方・見方、さらに防災知識までをまとめた1冊が『台風の大研究 最強の大気現象のひみつをさぐろう』(PHP研究所/3520円)である。編著は横浜国立大学教授の筆保弘徳氏。

例えば台風はどのように誕生し、暴風雨を伴って災害を及ぼすのか? あの渦は、どうしてできるのか? また、我々が知っている台風は、だいたい太平洋で発生して沖縄・九州を通り、本州に上陸したりして北東に向かって進み、また太平洋に抜けていく。なぜ、このような進路をたどるのか?

知らなかった知識が満載

一方で、たまにイレギュラーで予測不能な進路をとることがあるのは、なぜ?

台風には1号、2号と名前が付く。あれは誰がどうやって決めるのか? さらに、実は台風はアジア各国の動物や、星座の名を冠している。平成16年に発生した台風23号は、日本の提案によって「トカゲ」と呼ばれているのをご存知だったろうか?

知らなかった知識が満載のうえ、台風は恵みをもたらすこともあること、台風と戦う気象庁と予報士たちの活躍まで、目から鱗の情報が数多く解説されている。

いま放送されているNHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』が、まさに気象と予報士たちの話。併せて読むと興味が倍増する。

(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)

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