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蝶野正洋『黒の履歴書』~橋本聖子会長の暴露に期待

蝶野正洋
蝶野正洋 (C)週刊実話Web

東京オリンピックが盛り上がっている。俺は大坂なおみ選手を応援してたんだけど、残念ながら3回戦で負けてしまった。

大坂選手は、聖火ランナーの最終走者を務めてくれた。開会式はバッハ会長の話が長すぎたり、なんだこれ? と思うような演出も多かったが、俺は最後になおみちゃんが出てきて、あの笑顔を見せてくれたときにすべてが良かったなと思ったよ。

聖火リレーでいえば、王貞治さんと松井秀喜さんに挟まれて歩く長嶋茂雄さんの姿にジーンときたね。俺の世代的に、あの並びは感慨深いものがあったし、目頭が熱くなったよ。コロナ禍ということもあり、いろんな制限があったのかもしれないが、開会式は余計なことをせずに、選手の入場と聖火リレーだけで十分だったんじゃないかな。

あと、今回のオリンピックはテレビ的な過剰な演出が目につく。昔のテレビ中継は、基本的に競技する場面しか映してなかった。それがいつの間にか選手が入場する所からカメラが入って、目の先1メートルぐらいの場所から撮り続けている。

あれだと、選手が試合前に精神統一するようなプライベートな時間がないはずだ。プロスポーツの世界ならまだしも、アマチュアの大会であるオリンピックでは本来、必要ないし、1つのミスですべてが終わるシビアな場面であんな追いかけ方をされたら、俺だったらカメラを蹴飛ばしてるよ。レンズに黒いスプレーを吹きかけたりとかな(笑)。今回のオリンピックで大坂選手が調子を崩すのも分かったし、会見を拒否したくなる気持ちも理解できたよ。

バッハ会長たちが銭ゲバすぎる

今回は大坂選手を含めて注目選手が敗退する展開が多かったけど、それだけカメラと取材陣が群がっていたから集中できなかった…という理由もあるのかもしれない。運営側も視聴者も、選手がいいパフォーマンスをしてくれることを期待しているのだから、そこは気を使うべきだ。

試合後のコメントも無理に出さなくていいと思う。選手が負けたときは、控え室に入っていく姿を映してくれれば、そこから想像できるものがあるからね。

ただ、テレビマンは選手の声や表情を映すことが必要だと思い込んでいる。しかも、自分たちが想定している演出やストーリーがあって、それを強引にでも見せることが仕事だと思っているんだよ。

実際、俺が前に旅番組に出たときも「自由にやってください、我々はそれを撮るだけです」と言いながら、行くとこ行くとこで指示が出る。盛り上げるという名目で、過剰な演出を入れてくるんだよ。

これで選手が「競技に集中したいんでカメラやめてください」とIOCに文句を言ったとしても無駄だろうね。なぜなら、テレビが一番お金を出してるからだ。要するに、バッハ会長たちが銭ゲバすぎる。オリンピックで金儲けしようとするから、いろいろおかしくなっているんだよ。今回のオリンピックで噴出したさまざまな問題も、そういうところが原因なんだろうね。

矢面に立たされている大会組織委員会の橋本聖子会長なんかは、ふびんだよ。だから橋本会長にはオリンピック閉会後に「バッハふざけるな! 私はおまえのかませ犬じゃない!」とブチ切れて、すべてを暴露してくれることに期待したい。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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