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『#離婚して車中泊になりました』著者:井上いちろう〜話題の1冊☆著者インタビュー

 

『#離婚して車中泊になりました』著者:井上いちろう〜話題の1冊☆著者インタビュー 
『#離婚して車中泊になりました』朝日新聞出版/1100円

『#離婚して車中泊になりました』朝日新聞出版/1100円

井上いちろう(いのうえ・いちろう)
1994年ちばてつや賞優秀新人賞を受賞。ヤングマガジン増刊号にて読み切りデビュー。その後、主にパチスロ漫画誌で数多く連載。現在は家を持たず、車で全国を巡りながら漫画を描く日々を送っている。

――離婚して自宅を売却し、車中泊生活する様子が話題になっています。毎日どのような生活をしているのですか?

井上 仕事(原稿)がある場合は基本的に車にこもります。停車中は車のエンジンを切っていますので、ポータブル電源で電気を供給しながらiPadで描いています。スケジュールに余裕があるときは移動していることが多いですね。目的地はありません。日本一周などといった目標もなく、気に入った街があれば数日滞在することもあります。

例えば静岡県に数日滞在、昼間は海辺のパーキングで原稿を描き、夜はサウナの聖地『しきじ』へ。その後、新潟県へ移動し、日本海の見えるパーキングでのんびりしたあと、関越自動車道の越後川口SAで仮眠。その3日後にまた静岡県へ移動する、なんてこともあります。

――今まで大きなトラブルはなかったのでしょうか?

井上 今のところ、トラブルらしいトラブルはありません。漫画にも描きましたが、職務質問は都内の有料パーキングなどで休憩しているとよく受けます。走行中にわざわざ停車させられてまで受けたときは、思わず笑ってしまいました。「そこまでオレは怪しいのか?」と(笑)。

懸念材料としては、走行距離3万キロほどで譲り受けた軽バン(エブリイ)が現在10万キロになったことです。オイル交換やメンテナンスはやっていますが、走れば走るほど消耗部品も出てくるので心配ではありますね。

“知ってる土地”を増やしたい

――近年、車中泊がブームになっています。なにかアドバイスはありますか?

井上 道の駅は車中泊禁止のところもあるのでチェックが必要です。また、混んでいるパーキングに長時間滞在するのは迷惑行為になるのでNG。もちろんアイドリングストップもマストです。

パーキングでのゴミの放置やたき火、料理のようなキャンプ行為など、ブームになって行き過ぎた連中が増えると社会的な風当たりが強くなるので、徹底的なマナー向上のアナウンスが必要だと思っています。

――今後も車中泊を続けていくのでしょうか?

井上 当分、続けるつもりです。今、興味があるのは地方のスーパーのお惣菜です。その土地土地の食材はもちろん、驚くほどうまいメンチカツや唐揚げに出会えることもあり、スーパー巡りにハマってます。

この旅を始めた頃「行ったことのある土地を増やすのでなく知ってる土地を増やしたい」「結果、その先に日本一周があればうれしい」と思いました。今もその考えは変わりません。

(聞き手/程原ケン)

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