「まだ未練はある」錦織圭が36歳で引退…最後の大会に待つ20歳の“因縁の若手”

“花道”を飾れるか?

「未練は全然ある」。

今季限りで現役引退を表明している錦織圭が、36歳になってなお、そんな本音を口にした。

9月30日開幕の木下グループ・ジャパン・オープンを前に、25日に有明コロシアムで会見。元世界ランキング4位のレジェンドは「コートで悔いなく終われるようにしたい」と語った。

ジャパン・オープンは錦織にとって特別な大会だ。2012年と2014年に優勝。とりわけ2014年は全米オープンで日本男子初の四大大会シングルス決勝進出を果たした直後に、この大会を制している。

その思い出の舞台が、プロ19年間の締めくくりになる。

最後に敗れた相手が20歳

そして、少々皮肉な巡り合わせもある。錦織が最後に出場した四大大会、8月の全米オープン予選決勝で敗れた相手が20歳の坂本怜だった。

錦織は坂本について「動きがとても速くてサーブも良く、いいリズムを与えてくれなかった」と振り返る一方、「これだけ攻撃的にプレーしてくれているのはうれしい」とも語っている。

そして試合後、最後のジャパン・オープンに向けて「最高な試合をして(坂本)怜にリベンジしたい」と話していた。

その坂本と錦織が、25日に有明で練習。36歳の最後の舞台を前に、20歳の若手と同じコートで汗を流した。

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「世代交代」を感じさせる光景

もちろん、ジャパン・オープンで2人が対戦するとは限らない。ドローや勝ち上がり次第だ。

それでも、元世界4位の錦織と、これからの日本テニス界を担う20歳の坂本が、引退を目前に同じ会場で練習している。これほど分かりやすく世代の違いを感じさせる光景もない。

錦織はツアー通算12勝、2016年リオ五輪銅メダルなど、日本男子テニスの歴史に残る実績を積み上げてきた。対する坂本は、まだ20歳。8月には錦織を破り、全米オープン本戦出場を果たした。

最後の四大大会で敗れた若手と、最後の大会を前に再び顔を合わせる――。錦織にとっては、何とも意味深な巡り合わせだ。

「終わり」でも情熱は消えない

錦織は25日の会見で、引退を決めた経緯について、練習やトレーニングで「気持ちと足が重くなってくることが現実で出てきた」と説明した。

一方で、全米オープンでは「熱い気持ち」を取り戻せたとも話している。引退を決めたからといって、テニスへの情熱まで消えたわけではない。キャリアについても「満足はいっていない」としながら、「よく頑張ったな」と振り返った。

だから最後のジャパン・オープンは、単なる「引退試合」ではない。まだ未練がある男が、自分で決めた最後の舞台に立つ。そして、その先には――最後の四大大会で自分を破った20歳の若手がいる。

もし再戦が実現すれば、錦織にとっては文字通り最後の「リベンジ」の機会になる。

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