「ゴジラ松井の巨人監督就任に障害はなくなった―」渡邉恒雄氏の逝去で長嶋茂雄“最後の願い”が実現するXデー


マンション前には連日、多くのメディア記者たちが張り込んでいたが、その日の締め切り時間が過ぎると引き揚げて行くことを知っていたので、誰もいなくなったタイミングを見計らって自宅マンションのインターホンを押した。

「ナベツネさんが各プロ野球球団のオーナーに電話を入れて、1リーグ制の賛同を得ようとしているのは事実ですか?」

筆者の直球の質問に返ってきたのは、渡邉氏の短いながらも、ハッキリした答えだった。

「プロ野球界のためによしとした。諦めない――」

ナベツネ氏の影響力が消えてファンの悲願達成か

もともと「巨人が強くあることが球界の発展につながる」という渡邉氏の持論には賛否あるところだが、それでも渡邉氏なりの信念でプロ野球の将来像について熟慮していたのは事実。

そんな渡邉氏の死は一時代が終わったような寂しさを感じさせる半面、日本球界が古い体質からようやく抜け出せる節目となるはずだ。

当然ながら、最も大きな変化があるのは巨人といっても過言ではない。渡邉氏の影響力が消えたことで、巨人ファンの長年の“悲願”が実現する可能性が出てきたからだ。

そう、松井秀喜(50)の巨人監督就任である。不謹慎にも職業柄、筆者は渡邉氏の訃報を聞いて真っ先に「松井監督誕生」の見出しが頭に浮かんでしまった。