「石破幹事長」で動きを牽制か 岸田首相“続投”をかけた人事を発動へ



来年夏の参院選で最終審判を仰ぐ道も


こうした首相の動きは、麻生氏や菅氏の判断にも大きな影響を与えそうだ。

 前出の政治部デスクがこう話す。

「麻生氏が首相に『すべては都知事選後だ』と語ったのは、自身が支持することで岸田首相再選の道が開けるのか、ギリギリまで見極めるために他ならない」

菅氏の心中もよく似ているという。菅氏に近い無派閥議員が明かす。

「菅氏は、首相が派閥解消に踏み切った点は評価している。麻生氏主導で派閥が復活するのは避けたいので、首相を支える道が残っていないか思案しているのです」

菅氏は、党の金庫番を長らく務め、首相と麻生氏が共に一目置く元宿仁事務総長と6月中旬に会った際、「岸田でもいいのではないか」と胸中を吐露していた。

これを聞いた元宿氏は、「岸田首相には衆院解散をさせず、体制を一新させた上で来年夏の参院選で最終審判を仰ぐ道はある」と答えたようだ。

“ポスト岸田”の筆頭とみられる石破氏が、総裁選出馬の芽を失っても「幹事長を受ける」とみられているのは、麻生氏主導か菅氏主導かは別として、この岸田続投の可能性がいまだ残っていると読んでいるからだ。

それぞれの思惑が交錯する中、首相と麻生氏、そして菅氏は最終的にどのような判断を下すのか。

そして石破、茂木両氏をはじめとする“ポスト岸田”候補はどう動くのか。

永田町の権力闘争は、いよいよ最終局面を迎えている。