「石破幹事長」で動きを牽制か 岸田首相“続投”をかけた人事を発動へ



「石破氏は態度を変えかねない」


自民党が自主的に支援する小池百合子知事と、立憲民主党の後押しを受ける蓮舫前参院議員の事実上の一騎討ちとなる東京都知事選は7月7日か翌日には結果が出る。

麻生氏は、この結果次第では政権浮揚につながるとみて、首相を支えるかどうかの判断材料にする腹積もりのようだ。

自民党が6月以降に3回行ったすべての情勢調査で、小池氏は蓮舫氏を約10ポイントリードしている。

「このままなら、報道各社は小池氏で“ゼロ当”(開票率0%で当選確実を出すこと)を打つ可能性もある」(全国紙政治部デスク)

ただ、小池氏が勝てば首相の思惑通りに事が運ぶかといえば、そうでもない。依然、石破氏の動向が読めないからだ。

永田町では、「石破氏は首相を支えて後継になろうと計算しているから、打診があれば受ける」(自民党関係者)とみる向きは多い。

しかし、こう警戒感を強める議員もいる。

「石破氏は総裁選に向けて、無派閥議員を中心に影響力を持つ菅義偉前首相の支持を当て込んでいたが、最近距離を置かれ、首相に接近しているんだ。菅氏の出方次第で、石破氏は態度を変えかねない」(岸田派幹部)

ここで名前の挙がった菅氏も、一連の動きに先立つ6日夜、東京・麻布十番の寿司屋に自身に近い萩生田光一前政調会長、加藤勝信元官房長官、武田良太元総務相、小泉進次郎元環境相を集め、存在感を見せつけた。

石破氏はこの会に呼ばれなかったものの、菅氏は「今夜はこのメンバーでやる」と、人を介して同氏に連絡。

会合では、「複数の候補で理念と政策を競い合い、しっかりとしたリーダーを選んで、自民党の信頼回復につなげる総裁選にしなければならないとの認識で一致した」(出席者)と伝えられている。