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JRA重賞『天皇賞・春』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

JRA重賞『天皇賞・春』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想! 
(C)JRA

先週のフローラSは、ほとんどかすりもしない惨敗…何せ勝ったクールキャットはもとより2着のスライリー(14番人気。来ちゃったよ、二桁人気馬が)もまるで買っていなのだからお話にならない。

僕の本命馬オヌールは8着に敗れた。やっぱりガサのない牝馬は信用できない…そう思ってるんだったら最初から買うなよ、ってツッコミを入れられそう。ヨシ、決めた。今後は重賞で440キロ以下の牝馬は買わない宣言。教訓=女優も牝馬もグラマーに限る。

ま、逆に考えればこの惨敗はハナ差、クビ差の惜しいヤツでも何でもないし、少額投資だったので、すぐに忘れられるでしょ、とも言える。競馬ファンは立ち直りが早いのだ。それにしても先週まで重賞騎乗機会15連敗中で「またも負けたか、ルメールさんよ」と若干からかい、〝他人事ながら心配〟とやきもきしたとたんに5番人気の伏兵クールキャットで勝つとは! 正直言って「ここでかよ…」である。

またぞろ緊急事態宣言再発出で無観客開催となり〝現金馬券〟が買えず、馬友の持つPATに頼るしかない。とはいえ、GⅠだし、指をくわえて観ている訳にもいかないしなあ。当然力が入るのだが、メンバー的にはおやおや随分小粒だこと。大阪杯経由のレイパパレ、コントレイルは出ないし、デアリングタクト、ラブズオンリーユー、グローリーヴェイズあたりは香港に遠征しちゃうし(ラブズ優勝おめでとう!)、今回出走する馬でGⅠ馬はマカヒキ、ワールドプレミアだけか。両馬ともGⅠ勝利は随分昔の話、まだコロナのコの字も日本では囁かれていない頃だしなあ。メンバー的に随分小粒の感…〝GⅡ〟かよ、と言いたいようなメンバーではある。

要するに大混戦で、何が勝ってもおかしくない。有力馬を挙げれば、前走まさかの敗戦から立て直すアリストテレス、逆に前走久々の快勝で意気揚がるディープボンド、GⅠ馬のワールドプレミア、牝馬の実力派ウインマリリンとカレンブーケドールあたりだが、どれも全幅の信頼は置けそうもない。〝牝馬の鉄〟としては本来ならマリリン、ブーケドールの線にまっしぐらで飛びつきたいところだが、この天皇賞・春は牝馬の出番はゼロに近いので、さすがに躊躇してしまう。まあ牝馬の出走自体多くないのだが、それだけ適さないということなのだろう。

“牝馬の時代”と言われる昨今だが…

歴史をさかのぼれば、68年前にレダという牝馬が勝っているとはいえ、ほとんど僕の生まれた頃の時代だ。2着も牝馬クインナルビーだという。いわゆる〝レズ馬券〟ってヤツね。〝牝馬の時代〟と言われる昨今だが、そんな快挙が68年ぶりにあるのか、半信半疑。重い印はさすがに打てない。

映画馬券としては、出走馬の〝マリリン〟はもちろん、〝ボンド〟も〝ドノヴァン〟も〝ゴースト〟も以前にやってしまったので、少しヒネるとアリストテレス。高名な哲学者の名だが、アリストテレス・ソクラテス・オナシスという名前のギリシャの船舶王を覚えているだろうか? もう半世紀も前の話だが、暗殺されたJFKの未亡人ジャクリーンとのロマンスが話題になり、何と映画化もされた。『愛はエーゲ海に燃ゆ』(78年)という歯の浮くような邦題で、アンソニー・クインが船舶王(役名はトマシス)で、ジャクリーン役(劇中ではリズ)をジャクリーン・ビセットが演じていたのも面白い。ギリシャ男を演じたら天下一のクインと、当時美人女優度ナンバーワンのビセットを眺める映画でもあった。さっきの話、牝馬の天皇賞・春制覇はさらに四半世紀前、というわけだ。古い話である。

結論だが、まず⑫ディープボンド、②アリストテレス。今、思い出したけど、前出のビセット主演の海洋映画『ザ・ディープ』(77年)ってのもあったなあ。加えて、穴人気になりそうだが⑤ディアスティマ、阪神大賞典2着の⑦ユーキャンスマイルの4頭をまず固める。あと第一軸のボンド、第二軸のアリスト各々から①ワールドプレミア、⑬ナムラドノヴァン、⑭ウインマリリン、⑮オセアグレイトへ流し、ボンド、アリスト縛りの三連複も。買い目に直せば②⑤⑦⑫のボックス馬連、三連複。②から①⑬⑭⑮へ。⑫から①⑬⑭⑮。②⑫縛りで①⑬⑭⑮へ。正味、あまり自信はない。次週のNHKマイルで大勝負したいので、ここは通常投資で行きたい。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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