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JRA重賞『菊花賞』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

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いとも簡単に(としか映らない)JRA史上初の無敗3冠牝馬に輝いた先週のデアリングタクト。今週の菊花賞に出走するコントレイルは、それ以上に楽々と史上三頭目の無敗3冠となることだろう。

皐月賞、ダービー、おまけに昨年暮れのホープフルSとすでにGⅠ3勝を含む6戦6勝はデアリング以上。前哨戦の神戸新聞杯は単勝110円で楽勝。強すぎる。先週「デアリングで鉄板は、小学生でも解る」と書いたが、今回は「幼稚園児でも解る」と言おう(笑)!

問題は今回もヒモ。秋華賞でも人気薄は何頭かからめた予想をしたが、2着も3着もヌケでは〝惜しくも〟ない馬券下手である。コントレイルGⅠ勝利のホープフルS、皐月賞、ダービーは、2着にはヴェルトライゼンデかサリオス。今回、サリオスは距離適性から中距離路線を歩むため不出走なだけに、当然ヴェルトが対抗馬だろう。

さて、映画評論家の矜持として、映画に因んだ馬にもスポットを当てたい。ディープボンドの〝ボンド〟はもちろん『007』シリーズのジェームズ・ボンドを連想させる。その最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は本来なら11月公開の予定が、コロナ禍の影響で来年に飛んだ。実はこの新作、当初は今年4月公開予定がやはりコロナで一度飛んで、ここに来てまた飛んでいる。縁起はすこぶる悪いが、馬のボンド君は、馬券から〝飛ぶ〟のではなく〝跳んで〟コントレイルに肉薄する! と思いたいが、はてさて。この2頭相手が一応本線だが、やっぱり2、3着にはさらに人気薄が来そうなのは、今年の3歳クラシックの傾向。「アタマ堅いは、ヒモ荒れる」は競馬格言の1つではないか。

その大本命のコントレイル。意味は〝ヒコーキ雲〟。ユーミンの歌を連想する人も多かろう。一点曇りもない青空を切り裂くように真白き一直線、のイメージに、何物も追いつけない盤石さを感じる。

コントレイルで想い出す石田ゆり子の『コントレール』

だが〝コントレイル〟で、個人的に想い出すのは映画ではなく、何年か前のNHKドラマ『コントレール~罪と恋~』(こちらは音引きで〝レール〟)。ロードサイドの飲食店で世を忍ぶように暮らす女と、同様に、贖罪のため世捨て人のように生きる男との〝道ならぬ愛〟を描き、石田ゆり子ファンとしては毎週ガン見していたっけ。相手役の井浦新との〝カラミ〟を俯瞰で撮ったシーンでは〝エロいゆり子〟を拝めたものだ。ゆり子サマは井浦と映画『悼む人』(15年)でも共演し、〝完脱ぎ〟とは言えぬが、濃厚濡れ場を披露。この2人〝肌が合う〟なあ、と急に井浦新が羨ましくなったほど。

さて菊花賞。先週の無敗牝馬3冠デアリングタクトに呼応し、コントレイルも無敗牡馬3冠を手にし、牡牝お手々つないで、大胆な戦法(デアリングタクト)を用い、ヒコーキ雲(コントレイル)の彼方、誰も届かぬ地平を征くか。今週も懲りずに3連単③→⑥→⑧、③→⑧→⑥本線に、③→⑥⑧→①②④⑤⑦⑨⑩⑪⑫、③→①②④⑤⑦⑨⑩⑪⑫→⑥⑧へ。外枠は完無視! 馬連は③⑥、③⑧本線に、③から上記の印へ。ただコントレイル鉄板と言いつつ、昨年の菊花賞馬ワールドプレミアの半弟で長距離血統ヴェルトライゼンデに、ずっとこの馬を買い続けている手前、心情馬券として〝邪まな夢〟を託し馬単⑥③を内緒で少々。さあ今週も〝歴史の目撃者〟になろう!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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