
新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっています。海外や国内のワクチン接種の映像を見られた方も多いと思いますが、コロナワクチンの接種は、腕に対して斜めに針を刺す「皮下注射」ではなく、腕に垂直に針を刺す「筋肉内注射」で行われます。
従来、国内ではインフルエンザワクチンなどは筋肉内ではなく皮下に注射してきました。しかし、欧米ではコロナウイルスワクチンに限らず様々なワクチンを皮下よりも筋肉内に注入するほうが免疫の効果が高いというデータから、筋肉内に注射することが主流になっています。
では、なぜ日本ではインフルエンザワクチンなどを皮下に注射するのでしょう。
筋肉内に接種する場合でも合併症は起こりえる
1970年代に解熱薬や抗菌薬を子供の大腿四頭筋という太ももの前方部に打っていた時期があり、その合併症として大腿四頭筋拘縮症が生じることがあったからです。このため、ワクチンは筋肉ではなく皮下注射をすることが、日本では主流になってきました。
日本でも筋肉内注射で接種するワクチンが増えています。筋肉内に接種する場合でも合併症は起こりえるので、安全な注射方法のマニュアルが整備されつつあります。
それでも人間の身体はさまざまなので、注射を受けて手のほうに走る痛みなどが生じたらすぐに医師にお伝えください。ワクチンでない筋肉内注射は、注射のあとに揉むように指導されます。コロナウイルスワクチンの筋肉内注射は揉まないので、注意してください。
監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp
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