茨城県出身のKさんは、都内の風俗で働き始めて20年のベテランだ。これまでにも恐怖体験は多々あったというが、その中でもっとも怖い思い出を教えてもらった。
「池袋って、お化けが出るホテルが多いって聞いたことありません? 私が経験したのは北口の某ホテルでのことなんですけど…」
Kさんがホテルに入り、最初の異変が起きたのは、お客さんとお風呂に入るために湯船にお湯を張っていたときだった。
「そろそろ準備ができたので、一緒に入りましょうと声をかけるため、出ようとしたんですよ。そしたらドアが開かないの。ラブホのお風呂やトイレって大体鍵がないでしょ? 私、相手がドアを手で押さえていたずらしているんだと思ったの。実際、ドアのところに人の気配があったし。『もう、何やってんの? ふざけないでよ〜』って言ったら、『は? どうしたの?』って、お客さんがドアの前に歩いてきたのがわかったんです。そこで、『え? どういうこと?』って思ったんです。お客さんに『ドアが開かなくて』と言ったら、『え、開くけど?』って、すんなり開いたんです」
客が「寒気がする」と言い始めた
一体なんだったんだろうと不思議に思いながらも、ドアが何かに引っかかっていたのかもしれないとKさんはプレイを続けることにした。
一緒にお風呂に入り、ベッドに移ったときだった。急にお客さんが「寒気がする」と言い始めたのだ。
「『やだ、熱でもあるんじゃないの? 今日は激しいプレイしないほうがいいかもね』なんて話していたんですが、『あれ、ちょっとマジで寒いかも。暖房あげてもらってもいい?』なんて言い始めて。でも、私は寒くないし、エアコンもちゃんと温風が出てるんですよね。『やっぱり風邪だよ。ちょっとお風呂で温まってきたら』と話して、またお風呂に浸かることにしたんです」
そこで怪奇現象が起きたという。
お風呂に入ると、びっくりするくらいの霧で部屋中が覆われていたのだ。そして、なぜか重い空気が漂っていた。これはおかしいと2人とも感じ、「気持ち悪いね」と話しているときだった。
「お風呂のドアをドンドンドンと叩かれたんですよ。ゾーッとしました。2人で『もうここはダメだ』と言って、プレイもせずに出ることにしました。ホテルを出てから、『申し訳ないから、今日のお代はいいですよ』と言ったのですが、お客さんもいい人で、『君のせいじゃないから』と払ってくれました。そのあと、そのことをお店に報告して、できるだけそのホテルは使わないようにお願いしましたね」
検索しても事件などは特に出てこなかったそうだが、地元では「霊が出る」と有名なホテルだったそうだ。
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