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JRA重賞『ラジオNIKKEI賞』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

JRA重賞『ラジオNIKKEI賞』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想! 
(C)JRA 

先週の宝塚記念は2着のユニコーンライオンを軽く見て無念の討ち死に。普段より多めに買っていたから、これまでの儲けはほとんど無くなった。

今週外れると遂にマイナス・ゾーンへと落ちる…。まあ逆に考えれば、昨秋から数えて約8カ月よくもこれだけ持ったものだ、と自分を褒めてあげたい。

もう50年近く競馬をやっているが、年間トータル・プラスで終えた年は数えるほどだ。「その金、貯めときゃ…」と人によく言われるが、競馬がなきゃ、多分人生つまんないものになっていたはずだし、悔いはない。今年だって、今週当たればまた〝プラス街道を行く〟になるし、年間トータル・プラスはまだまだ夢じゃないし。とりあえず、宝塚記念のことはすぐ忘れ(一応データは取っておくが)、気分を変えて、夏競馬を気持ち良く楽しむこととしよう。場外売りも再開されたことだし、今週もフラリとWINSに出没したい。まあ、長居はしないけどね。

で、今週の重賞はともにGⅢ。西のCBC賞も考えたが、小倉の1200Mスプリントだしなあ。福島の1800M、ラジオNIKKEI賞の方が面白そうなので、こちらをチョイス。出走馬の名前にも〝映画関連〟がいて、ピカピカに目立っており、心動かされた。それはプレイイットサム。「サム、もう一度弾いて」というのは、ハンフリー・ボガート、イングリット・バーグマンによる往年の名作『カサブランカ』(42年)における名台詞として知られている。正式には「プレイ・イット・アゲイン、サム」だが、日本では馬名は9文字以内なので、略したのだろう。この馬の母はナリタカサブランカ。その繋がりだろうが、名付け親のセンスを感じるなあ。

というわけで形から入るボクは飛びついた次第。名前だけじゃないゾ。母の父がディープインパクトだし、初戦2着で未勝利、1勝クラスと連勝し、出走馬の中で連対率100%はこの馬だけ。それだけまだ底を見せていない、というわけだ。前走快勝のデムーロが引き続き乗るのも心強い。

合言葉は「涼しい顔して夏競馬」

もう一頭、往年の映画、名優を思い出させる馬名としてはシュヴァリエローズを挙げよう。こちらは男優のモーリス・シュヴァリエからか。粋なパリジャンで、ハリウッド映画でも大いに受けたものだ。オードリー・ヘプバーンの『昼下りの情事』(57年)の老私立探偵役やレスリー・キャロンの『恋の手ほどき』(58年)の富豪の粋人役などで知られている。シュヴァリエローズはズバリのディープインパクト産駒で、すでに世代が残り少ない中、同産駒ファンの僕は、思いを馳せたい。

よってこのディープインパクト関連&〝映画関連〟2頭、④プレイイットサム、⑦シュヴァリエローズに加え、このレースに相性良い早苗賞勝ちの⑫アイコンテーラー、道悪必至で先行有力の⑮グランオフィシエを含む4頭の馬連&3連複ボックスをまず買いたい。あと前記のサム、シュヴァリエから、重馬場実績のある3頭、⑥リッケンバッカー、②ヴァイスメテオール、⑤ボーデンへの馬連、2頭縛りでその3頭への3連複も買っておこう。

思い起こせば、5月のダービー前も〝プラス・ゾーン〟徳俵で踏ん張った。「お前は、ギリギリに強い瀬戸際の魔術師だ!」と無理やり自己暗示をかけ、この難局(?)を乗り切りたい…おっと深刻になっちゃいけない。夏競馬は肩の力を抜いて楽しまなきゃ、と改めて自戒した。さて、買い目に直すと④⑦⑫⑮の馬連&3連複ボックス。④から②⑤⑥、⑦から②⑤⑥の馬連、④⑦2頭軸で②⑤⑥への3連複。梅雨空も恨めしいが、合言葉は「涼しい顔して夏競馬」だ。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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